№0041〜宝塚のいえ 改修工事

MSD 日野弘一
■工事場所:兵庫県宝塚市
■工事期間:平成26年5月~平成26年11月
■主要用途:専用住宅
■構造・規模:木造平屋
■築年数:築50年(計画開始時)
■床面積:延床面積95.63㎡
■施工:コアー建築工房
■長期優良リフォーム採択
■木造建築病理学「既存ドッグシステム」 に基づいて設計
■概要
2013年10月に詳細調査を行った物件が完成しました。
↓詳細調査の様子
http://hd-n.net/2009cgi/gallery/archives/291.html
閑静な住宅地に建つ計画物件。冬の寒さ、夏の暑さが厳しい生活環境を改善するため、温熱改修を中心に、耐震・維持管理・バリアフリーなどの性能を併せて多角的に向上させました。

【解体】
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▲建物を解体し始める前は清祓式を行います。

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▲解体の様子です。この建物は建築設計士が計画をしていたため、内装が凝っていてもともと雰囲気のいいお宅でした。そのため、内装は基本的に変えることの無いように計画を進めました。
1.基本的に内装を残すために壁の外側から断熱材を詰める。
2.水廻は内装を一掃するため、内部から断熱材を充填し、外装は既存利用する。
こうすることでどの外壁も内側か外側は既存の壁が利用できます。

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▲耐力壁を補強するために面材を張っていきます。その時に一度壁の仕上げをはがす必要がありますので、併せて断熱材の充填も行います。構造補強と温熱改修は同時に行うことで効率よく性能を上げることができます。

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▲温熱改修のために、木製建具だったところをにアルミサッシを取り付けています。開口部の断熱性を上げ、また気密性も向上することで隙間風を無くします。
このようにして建物の性能向上リフォームは進められました。

【外観】
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▲改修前の外観
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▲改修後の外観
外壁の工事をしましたので、仕上げ材も新しいものになりました。杉の無垢板にオイル塗装をした外壁になります。またデッキにサワラ板を新設し、テラスの屋根もUVカットのポリカツインに張り替えています。
【建物内部】
居間の様子
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▲改修前
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▲改修後
室内の内壁は既存の物のままで、塗り壁の塗り直しや板壁の塗り直しだけしています。天井はつかえるところは既存のままで、断熱材を充填するためにはがした部分だけ新しく取り換えています。床も断熱材を入れるために取替え、杉の厚板の仕上げになっています。
台所
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▲改修前
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▲改修後
台所は設備を一新しました。また料理が大得意の奥さんのご希望の作業テーブルがタモで造られています。収納量も格段に増やしました。
和室
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▲改修前
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▲改修後
障子紙の貼り替え、塗り壁の塗り直し、また畳の表替えで雰囲気が明るくなりました。また畳の床と板の床の間にあった段差も解消しています。
水廻り
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▲改修前
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▲改修後
寒く、命がけで入るといわれていた浴室はハーフユニットバスの木の浴室になりました。断熱区画にきちんと入れているため、寒くなった今でも十分暖かくなったと喜びの声を頂いています。洗面台・トイレもきれいにし、また収納を増やすことですっきりとした空間になりました。
温熱改修を希望されて来られた住まい手さんでしたが、その工事に絡めてトータルで性能を向上を提案・実践できました。生まれ変わった住まいで快適に過ごされることを願います。