調査診断の種類

住宅の調査診断は、レベルに応じて、主に次の3つに分けられます。

一次的調査(劣化調査)
中古住宅売買時の建物検査や、維持管理のための定期点検の時などに

二次的調査(耐震診断等)
現状の耐震性能を知りたい、耐震補強について検討したい時に

性能向上診断
二世帯化や間取り変更など大規模リフォームを検討したい、耐震性・温熱性など、総合的な性能向上リノベーションを検討したい時などに

一次的調査はインスペクションとも呼ばれ、中古住宅の売買の時に活用されています。近年では、建築士が取得する既存住宅状況調査技術者という資格も生まれ、不動産事業者を中心に運用されています。

二次的調査は、いわゆる耐震診断ですが、各自治体が実施している耐震補強助成事業の一環として、各自治体に登録された診断士が行うケースも多いです。

住宅医は、インスペクションや耐震診断も含めて、総合的な性能向上診断ができる建築士です。

住宅医の調査診断の特徴

住宅医による調査診断は、主に性能向上リノベーションのための性能向上診断です。
(※住宅医による調査診断リーフレット)

住宅医は、住宅の劣化状況や耐震性だけでなく、温熱性、省エネルギー性、バリアフリー性、火災時の安全性など、既存住宅の性能を総合的に診断する性能向上診断を得意としています。

具体的には、床下や小屋裏も含めて、非破壊で可能な範囲で詳細に調査を実施し、現状の各性能を数値化して評価すると共に、性能向上リノベーションの設計に必要となる情報を収集します。

 

リノベーションもワンストップで

主に不動産事業者が実施している一次的調査(インスペクション)では、調査の第三者性を重視して、調査後のリノベーションは別の第三者が行うことにしている事業者もありますが、住宅医では、調査診断から性能向上リノベーションの設計監理等まで、ワンストップで実施することを重視しています。

既存住宅の調査診断は、建築業界でもまだまだ発展途上の技術であり、完璧な診断ができない実情があります。第三者性という点ではデメリットはありますが、調査診断を行った者が、調査では診断等ができなかった部分についても、リノベーションの設計監理等を通じて責任をもって対応していくことで、良い性能向上リノベーションが実施できることが多いことから、可能な限り、調査診断だけでなく、設計監理等まで関わることに努めています。