投稿日:2018年12月10日

住宅医スクール2018 第6回の報告(大阪 防火・設備・高齢者)


宅医スクール2018 大阪 (第6回:12/1)

第6回目は、「防火・設備・高齢者」

防火は桜設計集団一級建築士事務所代表 安井昇先生

設備は(株)清水 代表取締役 清水基之先生

高齢者は、(株)高齢者住環境研究所 代表取締役 溝口千恵子先生

☆全体アンケートより抜粋☆

■今後の講義内容の要望

■第1講義
・実際の配管等を見られてよかったです
・実体験に基づくお話で適正な水勾配(1/100)の話がとても説得力がありありがたく思いました。
・以前受けていたが改めて聴くと頭に入ったと思います
・配管設備ではトイレメーカーの節水競争が配管業者にとっては困り事になっている等、業界の内輪話もためになりました。

■第2講義
・防火に関して木・土の強さが具体的にわかりました。消火器、区画は取り入れやすく大切だと感じました
・防火の話をもっとききたかった
・考え方をわかりやすく動画を交えてよかった
・防火の話は今後も役に立てられそうです。ファイヤーストップの必要性などもう少し聞きたかった
■第3講義
■第4講義
・高齢者対応のリフォーム事例写真を交えての話参考になりました。お客様との接し方についても参考になりました
・改修事例の写真が接近しすぎて若干わかりにくかった(引きがないので難しいと思いますが)


■その他講義全体
・日頃の業務であまり考えない視点に気づくことができて業務に生かせると思う
・設備防火性能といった専門的な内容についての講義は大変良かった
・設備、防火、高齢者介護どれも非常に勉強になった
・設備防火高齢者対応、普段目をそむけがちな部分にもしっかり考えることが、建築士の責任だと思いました

投稿日:2018年12月10日

調査事例紹介2018-65 福岡県福岡市


福岡市Dさま邸 既存ドック
報告:熊本茂仁(一社九州ホームインスペクターズ 2016熊本スクール修了生)
物件概要
●所在地:福岡県福岡市中央区
●調査日時:2018/11/21
●構造:在来工法木造平屋建
●延床面積:83.3㎡
●築年数:93年(推定)

福岡市中央区所在、築90年超の木造平屋建て住宅の既存ドック現地調査を行いました。 三代目オーナーとなられた依頼者様より改修して住みたいが、築古なため不安があるというご相談がありました。

リフォームの御要望が、耐震性確保、寒くないこと、バリアフリー等に至りましたので、まずは現状を把握したうえでのプランニングが必要とご提案し、既存ドックを採用いただきました。

2016熊本スクール、本年度の福岡スクールによって九州の住宅医さんやスクール修了生・受講生もある程度の 人数になってきました。今後、九州の住宅医さんや修了生が活動していく中で既存ドックを活用できるようにと、 実地研修会形式で調査を行うこととしました。

調査リーダーは福岡スクール校長の田尻裕樹さんにお願いしました。指導役として村上洋子さん、日野弘一さんをお招きし、スクール修了生・受講生ほか12名、総勢15名での調査となりました。


調査に入る前のミーティング。この後班ごとに調査開始!

①劣化、②設備・採寸、③仕上げ・採寸、④床下、⑤小屋裏の5班各3名編成です。


劣化担当:中嶋さん、巻口さん、熊本

 設備担当:堺さん、白石さん、山之口さん

仕上げ担当:村上さん、横山さん、桝本さん

床下担当:田尻さん、宮木さん、古場さん 

小屋裏担当:日野さん、中嶋さん、渡邊さん

既存ドックの調査に初めて触れる人がほとんど。みなさんせっかくの機会をものにしようと熱心に作業されていました。

調査の結果は、福岡スクールを中心になって運営されています森章郎さんが担当し、リフォームのプランニングもそのまま 担当いただく予定です。
キモは全体的に進んでいる劣化と雨漏り、そして谷側への傾斜が一部強めに出ている点でしょうか。 とりあえず調査結果と撮影した画像はグーグルドライブで共有し、参加者間で閲覧できるようにしています。この物件が 今後どうなっていくかもみなさんで見守っていただければよいかと思います。

以上

投稿日:2018年11月09日

住宅医コラム 意見交換2018-86


住宅医リレーコラム 2018年11月号
リレーコラムでは毎月住宅医協会の理事等による月替りコラムです。
11月号は村上洋子氏のコラムです。

 

マイカ先生との再会

村上登男一級建築士事務所 村上洋子

 

スティーヴン・マイカ先生に、6月下旬のオックスフォードでお会いしました。住宅医スクール初日第一講義のスライドに、英国レディング大学の building pathology(建築病理学)の教授として登場された先生と言えばお分かりになると思います。2014年9月にレディング大学を退職され、現在はオックスフォード近くに住まいつつ、複数の改修と新築のプロジェクトを掛け持ちし「定年前より忙しい」と話す先生は、相変わらず気さくで活気に溢れていました。

6年ぶりの再会で、私は今の住宅医協会の様子と、今年4月に宅建業法が改正され建築士による状況調査が必要になったことなどを報告し、先生からは現在手がけているプロジェクトに絡め、英国の不動産市場についてお話を聞くことができました。ご存知の通り、英国では既存住宅流通が新築より圧倒的に多く、また不動産の価値は築年数が経っても下がることはありません。住宅の購入は安定した投資の一つで、収入の少ない若い時に小さな家を買い、家族の増加など生活環境が変わり、家が手狭になったタイミングでより大きな物件に買い替え、子育てが終わって居住人数が減ると、大きな家を売り再び小さな家を購入したり高齢者向けの施設に入居したりします。こうすることで得た利益は老後の資金となるのです。

例としてイングランドの地方都市にある住宅を紹介します。中央に界壁があり左半分を知人のご両親が所有しています。約25年前、結婚と同時に購入し、子供が増えた時、裏庭に一部屋増築して今もお住まいになっています。右半分の住宅は何度か売りに出され、売却価格は2001年から2013年の12年間で2.4倍です。25年前からだと何倍になっているのでしょう?
ところが不動産価格の高騰で、若い人でも手に届くはずの「最初」の住宅まで高額になってしまいました。ロンドンなど大都市はいうまでもなく、マイカ先生が暮らすオックスフォード郊外の町も同様で、簡単に購入できなくなっているそうです。マイカ先生も最初の家を購入してから、DIYでコツコツ改良し価値を高め転売、現在の住宅を手に入れたそうですが、先生やご友人のお子さんは高額なローンの返済に時間と精神的な余裕がなく、「代わりに退職した父親達が子供の家をDIYしている」と笑って話されていました。

 

 

先生とおしゃべりしながらオックスフォードの古い街並みを歩いていると、話題は自然に目に入る建物の劣化と改修方法になります。素材は豊富にあり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。私の後に、現在進行中である「新築」のプロジェクトの構造エンジニアと打ち合わせがあると颯爽と去って行かれる先生を見送りながら、次にお会いする時は建築病理学の専門家がこれまでの経験を新築にどう生かしたか、竣工後の建物でお話を伺いたいと思いました。