№0010〜Nさんの家

米谷良章設計工房 米谷良章
【データ】
所在地:大阪府池田市
構造規模:木造2階建て(1977年築)
敷地面積:179㎡(私道負担52㎡含、1低層、50/100、1高、壁面後退1m)
建築面積:56.4㎡
床面積:95.64㎡(1階:53.64㎡、2階:42.30㎡)※今回の改修で面積の増減は、ありません。
意匠設計:米谷良章/米谷良章設計工房
構造設計:下山聡/下山建築設計室
温熱設計:野池政宏/住まいと環境社
工事:池田学/月建築工房

【概要】
この住宅では、『あと30年安心・快適に暮らせる合理的なリフォームをしてほしい』という要望に対して、構造補強+劣化対策⇒温熱改修⇒間取りや設備の更新といった優先順の整理とバランスを検討して応えています。
工事費の目標は、同規模の新築住宅にかかる建設コストでの約半分を目標にして、改修方法を模索しました。

構造補強は、下山聡氏考案の耐震フレームで耐震上重要な1階の3構面(X方向1面とY方向2面)を重点的に補強しています。


このフレームは、仕上コストが抑えられる内部に設けており、既存の基礎(無筋コンクリート)にオモリとなるコンクリートの塊を増し打ちしています。
このほかは、1階外壁内側に構造用合板の補強を行い、2階床梁の接合部は金物で補強をしてます。

既存の瓦屋根は板金屋根に葺き替えて漏水対策を行うと同時に、自重を軽減して耐震性能の向上を狙っています。
また、玄関の下屋屋根は形状変更して、漏水原因になりやすい谷をなくしています。
外壁は下地のモルタルを残し、吹付材の上塗りだけにとどめました。
水廻りの設備器具は、ユニットバスを除いて全て交換し、排水管などの配管類は床上転がしにして、外壁に露出配管を行って、将来の点検や取り換えに備えています。
このほか、床下やバルコニー下の天井に点検口を増設しています。



温熱改修は、床、壁や天井に次世代程度の仕様の断熱を内装側から工事を行っています。
一方、開口部は3か所のサッシを取り替え、その他はガラスだけを交換しています。

これに加えて、インナーサッシ、ハニカムサーモスクリーン、カーテン、外付けブラインド、ブラインド付き雨戸などのパッシブ部品を開口部に取り付けて、冬季の保温や夏季の日射遮蔽効果を向上させる試みを行っています。

このような性能上の向上をしながら、住まい方に合致した間取りの変更や意匠上の整理を連動して行なって、持ち主の要望に応えた。
=米谷良章=


Title 事例紹介2011-10
Posted 2011/02/10
Category 改修事例紹介