№0009〜狗子田町の家 改修工事+はすそら鍼癒院 

(有)MOK Structural Design Unit

【概要】
所在地:京都市左京区
構造:木造2階建て
規模・築年数:159.68㎡(48.3坪)、築80年
工事期間:2010年6月~2010年11月
工事費:1,950万円
施工:株式会社 ツキデ工務店

昭和初期のレトロな雰囲気を残す外観の、築80年の住宅です。
改修前は、1階に座敷・和室・洋室・ダイニングキッチン、2階に和室3部屋の間取りで、1階・2階共東側に広縁をもつ住宅でした。

改修に当たってのご希望は、住宅の一部を利用して鍼灸院を開業すること、バリアフリーへの配慮、断熱性能の向上、構造補強そして、外観の雰囲気はあまり変えず、建物の性能を向上させてさらに長く住み続けたい、というものでした。
外壁はなるべく残し、室内側から補強を行う方針で進めて行きました。
既存の基礎は無筋コンクリート布基礎でした。
耐力壁下の基礎については、耐力壁が有効に働くよう、新設の鉄筋コンクリート布基礎を添え、柱頭・柱脚には金物補強も行っています。

詳細調査の際、一部分では腐朽・蟻害を確認していましたが、解体を進めて構造体が現れると調査で確認された箇所以外にも腐朽・蟻害が確認されました。

問題のある箇所は、土台・梁・桁の取換え、柱の根継ぎを行っています。


 
改修後の様子です。
1階の西側は診療室スペース、納戸として利用していた北東下屋は、お母様の寝室 + 納戸です。
ダイニング・キッチンも、茶の間とひとつづきのLDKとして拡がりのある空間になりました。


2階には納戸と座敷、そして寝室を設けています。
1階の床は、ワークショップを実施して「柿渋+すす弁柄」で着色塗装しています。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!
外観は改修前の佇まいを残しながら、「狗子田町の家 + はすそら鍼癒院」として2010年11月に竣工しました。


Title 事例紹介2011-9
Posted 2011/01/10
Category 改修事例紹介