№0023〜西縄口の家改修工事

森林文化アカデミー木造建築スタジオ+神谷建築スタジオ
■工事場所:愛知県豊橋市
■工事期間:2011年10月~2012年3月
■主要用途:専用住宅
■構造・規模:木造2階建て
■築年数:築56年(着工当時)
■床面積:215.18㎡(65.21坪)
■施工:株式会社 荒川工務店
■概要
2008年徳山ダムの完成によって水没した岐阜県旧徳山村。その旧徳山村にあった住宅(築30年)を住まい手自ら1985年に豊橋へ移築し現在に至る。
-改修前-


今回の改修では耐震改修、温熱改修はもとより、生活空間の根本的な改善をするべく、大幅な間取りの改編を行なった。


-改修後-

敷地東側は市街化調整地域であるため、開発されることがなく、牧歌的な風景が広がっている。改修前は妻壁となっており、その風景を生かすことも、敷地特有の東西の風を引き入れることも出来なかったため、改修後は東側に生活スペースを開き、風景を取り入れるとともに、東西の風が抜けるように配慮した。


また敷地東側には桜、木蓮が大木に育っており、これらの四季の変化をどこにいても楽しめるように計画をしている。

間取りの改変により階段の位置を変更。以前は裏側にあり暗く急だったものを家の真ん中に配置し風の道にもなっている。


改修時にやむなく撤去されることとなったケヤキの差鴨居、階段ササラはテーブル天板に、階段踏板はテーブル脚へと生まれ変わった。
改修前は無断熱であることと隙間風によって寒かった冬季も、改修後は薪ストーブのお陰で起床時でも室温が19℃をキープできているとのこと。
旧徳山の住宅で移築されたのはこのお宅を除いて他は1件。民間での移築はこのお宅だけだったとか。様々な想いを纏ったこの住まいが今回の改修によって、さらに世代を超えて住み継がれていくことを期待します。
神谷建築スタジオ 神谷義彦


Title 事例紹介2012-23
Posted 2012/04/10
Category 改修事例紹介