№0024〜釈迦谷の家 改修工事  

FORMA建築研究室
■工事場所:京都市北区
■工事期間:平成23年3月~平成23年12月
■主要用途:専用住宅
■構造・規模:混構造 RC造地下1階、木造1階建
■築年数:築31年
■地下面積:91.97㎡ 1F床面積:121.40㎡ 床面積:213.37㎡(64.54坪)
■施工:施主直営による分離発注
■平成22年度第1回 長期優良住宅先導事業(国土交通省) 採択
■木造建築病理学・「既存ドック」システム2 に基づいて設計
■概要
以前、病理学通信で詳細調査の報告をさせていただいた、釈迦谷の家が完成しました。
詳細調査の様子は、こちら(http://hd-n.net/2009cgi/gallery/archives/46.html)をご覧ください。
クライアントは以前から夫婦の老後の住まいを探しておられ、ロケーションとこの建物の佇まいにほれ込んで4年前に購入されました。
改修は耐震補強、温熱環境の改善、劣化改修、老後に備えた機能改善が主な要望です。
今回の改修ではコストが限られているので全てを満足するように計画することが困難でした。
耐震改修、温熱改修、機能改善、劣化改修について優先順位を決めなるべく単独の性能改善だけでなく、改修する部分に他の改善要素を計画し組み入れる事により、コスト調整を行いました。
コスト調整についての大枠の方針として、
・H18頃に改修された瓦屋根は残す。
・外壁は必要最小限(劣化が激しい部分)で改修。
・耐震改修の目標値は1.0(建防協)以上
・温熱改修は費用対効果の高いペアガラスを行う。
・H11省エネ基準に近づける。(クライアントと相談しながら決めました)
・2期工事で出来るところは将来工事とする。
・分離発注によるコスト削減を目指す。
・クライアント参加によるセルフビルド部分を設定(クライアントの息子さんに協力していただきました)

・居間の東側の眺望を活かす。

・浴室から隣地の樹木を借景に取り込む。

・改修箇所は復旧に徹する。 (じゅらく土の色は既存に合わせて調合している)

・無垢床材の使用。

・信楽焼き 手洗い
改修前は冬派耐え難い寒さだったのが改修後は床暖房の効用か?朝で室温が18℃前後でその後、日中暖房を切っても南窓から日光のダイレクトゲインにより室温が20度前後に維持されているとの事、格段に断熱性能が上がった事を実感できている様です。
中古物件購入から、各種性能を上げるための改修であるが、詳細調査はもとより、図面が残っている事で類推できる部分が多かった事で非常に助けられました。
住宅履歴があることでストックの維持管理、改修に役立つ事を実感できた事がいい経験となりました。
今回の改修を機にクライアントがより愛着を持って棲み続けていかれる事を期待します。
一級建築士事務所 FORMA建築研究室 中西義照


Title 事例紹介2012-24
Posted 2012/05/10
Category 改修事例紹介