№0003〜築10年の田舎普請の家を収納量のある若い家族の家にする

一級建築士事務所 MUK 村上あさひ氏




築10年という築浅の家には珍しく、瓦屋根に、板壁・漆喰塗りの外壁。
骨太の構造材。
この地域特有の、昔づくりの平屋建である。
2間続きの和室と、洋室が2室という田の字型の間取り。
和室の重厚な造りに惹かれて購入した中古物件だが、洋室2室の使い勝手が悪く、家族4人と平日滞在する祖父母の生活の場としては、広さの面でも、機能面でも、少し無理のあるような状況だった。

『収納が圧倒的に足りないのです』
出会いは、この言葉から始まった。
『天井裏にもったいないスペースがあるのでそこを収納にしてほしい』と。


まずは、洋室2室(ダイニングキッチンと、もう1室は納戸として使用されていた)に重点的に手を加える。
その上で、収納不足を補うだけでなく、ゆとりや楽しさも感じられる場を目指して、小屋裏にも手を入れることを提案。
また、今回天井を剥がす部分には、屋根に断熱材を入れること。
LDKには床暖房。
間仕切りを撤去したいが、構造上残すことが望ましいと判断された耐力壁は『多段梁式耐力壁』を採用し、2室間の見通しを確保することとした。
結果、洋室2室は、ダイニングキッチン・リビング・ワークコーナー・クローゼットがゆるやかにつながるワンルームとし、また、意匠的にも、既存和室の重厚感にも見合うようにしつらえた。


また、大きな天井懐を生かし、『ロフト』を隠れ家的な子ども室に、『小屋裏部屋』を大きな収納スペースとして計画したが、
『小屋裏部屋』は、完成してみると予想以上に居心地がよいからと、その一部は夫の趣味の部屋となった。


家族構成:夫婦と子供2人
リフォーム面積:1階 32.82㎡
小屋裏 23.28㎡
構造:木造軸組工法
築年数:10年
竣工:2007年12月
工事費:840万円
設計:村上あさひ(一級建築士事務所MUK)
施工:㈱コアー建築工房


Title 事例紹介2010-3
Posted 2010/07/10
Category 改修事例紹介