№0080〜熊本市 築36年 スマートウェルネスリフォーム

■改修事例報告
■改修概要
施工:新産住拓株式会社
設計者:田中 俊史
築年数:昭和56年 築36年(調査時)
主用途:専用住宅
構造・階数:木造平屋建て
敷地面積:208.57㎡
建築面積:89.8㎡
延床面積:87.99㎡
現地調査:2015年10月
着工:2016年9月
竣工:2017年2月 (工事期間5か月)
改修内容:耐震性向上、断熱性向上、間取変更、設備機器入替、屋根葺き替えなど
■現状状況
基礎:布基礎(無筋)
外壁:モルタル
断熱材:床下 無断熱
壁 ロックウール35㎜
天井 ロックウール35㎜
内壁:ラスボード+聚楽壁
合板
石膏ボード+クロス
床材 合板フローリング12㎜ 火打ち有 根太転ばし@303
接合部:接合部Ⅳ:3kN(ほぞ差し・釘)
サッシ:アルミシングルガラス
■ご相談から竣工まで
ご相談受けた時、中古物件を購入し、新築かりフォームかで迷われていました。
建物は36年間メンテナンスがされていませんでしたが、調査を行い、基礎・軸組共しっかりしていたため
リフォームで十分性能向上ができると判断しました。
スマートウェルネス住宅等推進事業の補助金を使うことができたため、断熱、省エネ等の性能向上を考慮し進めました。
2016年5月に熊本地震発生のため、耐震計画の見直しを行いました。変更点として地震地域係数Zを0.8から1.0へ変更し、上部構造評点を1.5以上を目標としました。
また、着工も4か月延期としました。
現状写真




 
 
改修希望内容
使いやすい間取りへ変更
断熱性、耐震性、省エネ性向上
6畳と4.5畳の和室を作りたい
子供部屋を作りたい
収納を増やしたい
車を3台駐車したい




 
 
改修前平面図

 
改修後平面図

 




 
 
■劣化対策
セメント瓦の劣化に伴い、ルーフィングをゴムアスファルトルーフィングへ取替し、防災陶器瓦へ葺き替え。
湿式浴室をUBへ取替え。
布基礎だったため、土間コンクリートt=60mm打設後、防腐・防蟻工事を行う。
外壁が通気工法ではなかったため通気工法へ変更。
水廻り変更により給水・給湯管入替。
■耐震改修提案
一般診断法で評点1.5以上になるよう耐震補強を行いました。
柱の柱頭柱脚を規定の金物で補強を行った。
既存の耐力壁である筋違も全て入替を行い所定の金物で補強した。
解体時、既存の玄関柱に腐朽が見られたため、柱の取替えを行った。


 
■断熱改修対策
既存のアルミ単板ガラスを複層ガラスへ全て入替を行った。
既存の断熱材を全て外し、床に押出法ポリスチレンフォーム保温版(3種)、壁に高性能グラスウール断熱材16K t85㎜、天井にグラスウール断熱材 10K t200㎜を充填した。
改修前 Q値5.78  UA値 1.61
改修後 Q値2.16  UA値 0.54

 
 
■省エネルギー対策
ガス給湯器から高効率エコキュートへ取り替えた
熱源を電気・ガス・灯油だったが、オール電化とし、家計面でも省エネを図った
湿式浴室から、UB高断熱浴槽へ取り替えた。
太陽光発電設備 5.52kwを設置した
■バリアフリー対策
各所にあった段差を大引きまで撤去し、新たに床組を行い段差解消を行った
浴室に手すりを設置した
玄関を東側から北側へ間取り変更し、駐車場部分のフェンスを撤去を行いました。砂利敷きの駐車場を土間コンクリートとし玄関へのアプローチを容易にした
■火災時の安全性
火災、煙報知器を各居室に設置した
ガスコンロからIHへ変更した
消火器の設置を行った

 
 
■総括
当初2016年5月着工予定でしたが、2016年4月の熊本地震の影響により着工を9月に延期いたしました。
同時期に住宅医スクールの講習を受講し、耐震対策、断熱対策、劣化対策、省エネ対策、バリアフリー対策などの重要性を知りました。
住宅医スクールの講義を受け、本工事の耐震計画、断熱について見直しを行いました。
工事が完成し、お客様の感想として、使いやすい間取りになりました。部屋が明るく、冬はとても暖かくなった。素足で生活しています。大変満足されています。
住宅医スクールでは劣化対策・耐震性・断熱性・省エネルギー性・バリアフリー性・火災時の安全性など数値で建物の性能を確認することができるため、お客様への提案がしやすくなりました。
今後も、住宅医スクールで学んだことを実践し、治す力をもった住宅医として改修工事に携わっていきます。
熊本県 新産住拓株式会社 リフォーム事業部 田中 俊史