昨年2月コラム「柱頭柱脚金物」の追記として 〜2021年3月

河本 和義(一級建築士事務所TE-DOK代表 / 住宅医協会理事 /岐阜県)

「最近、L型の25kN用の柱頭柱脚金物集成材用が発売されました。今回は、柱頭柱脚金物(1階柱脚)について考えてみたいと思います。」と、昨年本コラムにて紹介させて頂きましたが、先日、製材(ヒノキ)でも対応できるようになったと知りました。これにより25kN引き寄せ金物の代わりにL型を製材(ヒノキ)でも使うことができるようになり、使える軸材の適用範囲が拡がりました。柱頭柱脚金物の設置については、昨年のコラムでご説明させて頂きましたので割愛しますが、1階柱脚に用いる場合には注意は必要です。木造の構造計算の体系から柱頭柱脚接合部は耐力壁自身より先に先行破壊させてはならないため、個人的には接合部を積極的に強くすることを考えており、「ひとつ方法が増えた。」と思っています。
ここで、材種について少し話をさせて頂くと、木造の構造設計を行っている上で、梁端部に金物工法を用いることもあります。建物全体が金物工法の場合もあれば、基本は在来仕口だが、梁端部のせん断が厳しい場合にその部分のみ金物工法仕口とする場合もあります。また、改修案件で既存柱を撤去することによるその上部の梁の補強のため、補強梁を入れる際に金物工法を用いる場合もあります。この際にも、軸組の材種を検討する必要があります。基本的に、金物工法は集成材用に多く用いられてきたため、その接合部の性能も集成材で行った試験結果から得たものが多くあり、適用範囲(軸組の材種)も規定されています。現在は、製材で試験を行ったものや、製材用に少し金物を変更したものなどもあり、軸組の材種によって選択できるようになっていますので、利用の際は、金物・材種とも適切な選定が必要です。例えば、下図のように、集成材タイプと製材タイプで金物の形状を変えて対応している場合もあります。

図 金物工法梁金物の集成材タイプと製材タイプの違い

ちなみに、前述、在来仕口建物のなかで一部金物工法仕口を用いる場合ですが、梁上耐力壁がある場合などに利用することがあります。下図のように(極端な場合を想定)、梁上耐力壁がある場合に梁のたわみは断面的にOKだが、梁端部のせん断が厳しいことがあります。このような場合に、材種の変更、仕口形状の変更と併せて、金物工法仕口への変更を検討する場合もあります。その際にも、材種の適用範囲を確認しておく必要があります。

図2 梁端部のせん断が厳しくなる例

改修では常に難しい検討箇所が出てきますので、その時々で対応していく必要があります。だからこそ、様々な「武器」を持っておくと非常に役に立つと思います。


昨年の掲載記事

「柱頭柱脚金物」~住宅医リレーコラム2020年2月 はこちら