№0029〜阪南の家(庫裏)改修工事

Ms建築設計事務所
■工事場所:大阪府阪南市
■工事期間:平成24年3月~平成24年7月
■主要用途:専用住宅
■構造・規模:木造平屋建
■築年数:築 40年
■床面積:97.71㎡(29.56坪)
■施工:株式会社 川口建設
■概要
今回改修する庫裏(お寺の境内にある住居)は、築後40年ほど経った木造の建物です。若夫婦が新たに住まうため、間取りを大きく変更しています。
《改修前》


改修内容は、耐震・温熱・バリアフリー対策等、総合的な性能の底上げを行っています。基礎には鉄筋が細かく入っており、補強は行わず、細かいクラック補修に留めています。既存の外壁と柱は残し、傾きの大きな内部の柱を新しいものへと交換しました。小屋梁同士を鋼製火打ちで固めた他、小屋束や垂木面に雲筋交を入れることで水平面の補強としています。屋根は一部の補修としています。


既存外壁の外側に断熱材を施し、床と天井にも充填することで、断熱性能は格段に上がっています。さらに、残した既存土壁の吸湿・蓄熱効果にも期待しています。
外壁には珪藻土を塗り、お寺に属す建物として落ち着いた外観となっています。

天井裏に以前隠れていた空間を利用し、吹抜けとすることで、とても開放的な室内を実現しました。そこを横断するように架かる立派な松の梁は、そのまま室内に現しています。荏油を塗ることで、質感を高め、新旧の構造材が浮き立つメリハリの利いた印象となっています。
   
求められる生活スタイルを許容し、構造や断熱性能の向上を計った上で、境内にある建物としての佇まいを持たせ、周囲からプライバシーを確保する等、小さい建物ながら多くの検討を経てできました。


Title 事例紹介2012-29
Posted 2012/11/10
Category 改修事例紹介