№0006〜マンションの一室に「木の住まいが完成」

Ms建築設計事務所  三澤康彦

以前ご紹介させていただいた、マンションのリフォームが完成した。
少し間があったので、以下改修の概要を示す。
≪改修の概要≫
○場所 大阪府吹田市
○規模・築年数 RC造マンション1階(11階建て、総戸数約200戸)南東の角 築31年
延床面積78㎡(室内面積70㎡、バルコニー8㎡)
○工期 2010年4月~2010年7月
○家族構成 夫婦+子供1人
○その他 エコポイント約25万ポイント
今回のリフォームの大きな特徴は断熱改修だ。
一旦スケルトンの状態にしてから床、外部に面する壁、天井の一部に断熱材を充填し、既存サッシ(マンションの規約により共用部として扱われ、変更不可)の内側に内窓を設けた。どちらもエコポイント対象工事にあたる。

こちらのご家族、今年の猛暑でも室内面積70㎡に対して、エアコン1台で快適に過ごせたようだ。これが、断熱改修の結果だ。
そして、これからの季節は左の写真の空間が重要になる。
というのも、これは玄関入ってすぐの格子戸になるが、上部はFIXで格子戸を閉めると玄関スペースと居室スペースに区切られる。
視界の遮断の他に、風除室としての役割もあり、鉄扉で外部と区切られたマンションにとって大事な空間になる。

写真左手に見えているのは、間仕切りを兼用した本棚だ。
本棚と壁(写真右手)をつないでいるのは鴨居。将来的にここを個室として使用する時に、建具を入れられるよう、鴨居とレールは今回の工事で設置した。現状を改善することはもちろん、今後のことを見据えた計画が必要なのだ。

リビングダイニングから和室方向の写真。
建具を閉めても建具上部は開放されているため、廊下の本棚同様、マンションの一室の中で温度差のない環境が保たれる。
先のエアコンの話とつながる。
最後に見学会の様子について。
同マンションの住人の多くの方にも見ていただくことができた。
見学会に参加していただいた方の中にはマンションの中に広がる木の空間に驚かれている方や、ご自宅の間取りを思い出しながら自分の家に対して想像を膨らませる方もおられた。
マンションの中でも木の住まいが充分可能であるということを体感していただけて、有意義な見学会となった。


Title 事例紹介2010-6
Posted 2010/10/12
Category 改修事例紹介
前回の記事(2010-1)は こちら