№0013〜畳スペースと杉ベンチの2つの床のある珪藻土の家
マスタープラン一級建築士事務所 小谷和也
リフォーム面積:84.45㎡
■構造:鉄骨鉄筋コンクリートラーメン構造
■築年数:23年
■竣工:2011年3月
■設計:小谷和也(マスタープラン一級建築士事務所)
■施工:有限会社 池田住宅建設
■概要
改修前
新築時から住まわれていた、築23年のマンションのリノベーション。
築23年と言えばまだまだ新しい物件ですが、角の多い形状や断熱性の
低さから壁の一部はカビがびっしりと生えており、ビニールクロスも
剥がれてしまっていたのが悩みだったようです。
間取りも細かく区切られていたため、面積の割には広さを感じにくく、
三角形の出窓も部分も収納が足りないために荷物置き場のようになっていました。
友達や職場の方と家で集まって食事をするのが好き、開放的な家としたい、
木が好き、趣味で集めている備前焼を飾れるスペースが欲しい、
というご要望を踏まえてプランをご提案しました。
改修後
大きな方向性としてまず、約80平米の空間を一旦スケルトン解体し、
ウォークインクローゼットだけを区切り、残りのほとんどをLDKとする
大きなワンフロアをすることを考えました。
食べるところ、くつろぐところ、寝るところを一つの空間内に作っています。
大きな空間にするために欠かせないのは断熱性。
カビや結露を防ぐためにも、外部に面する壁面には40ミリの断熱材を設置、
たくさんある窓にも一つ残らず内窓を設けました。
大きなLDKの南側の一部の床を35センチ浮かせた畳スペースとし、
日常は寝室として、お客さんが来られたときには座敷に変わるフレキシブルな空間に。
畳スペースはそのままベンチに変わりながらダイニング側に伸び、
三角形の出窓スペースも取り込んで本を読んだりとくつろげる
ベンチスペースとして考えました。
西側の出窓のコーナーから午後の光が入り、気持ちのいい空間となっています。
畳6枚分はコの字ユニットになっていて移動可能。ベンチ前に並べて座る場所を
拡張したり、法事などの際には仏間前に並べて畳ベンチとしても使えるように。
キッチン、ダイニング、タタミスペースとも、天井高さを2200ミリまで抑えて、
杉羽目板仕上げとしています。ちなみに座卓とテーブルは高さを揃えていますので、
繋げて大テーブルとして使うこともできます。
リビングの一角に設けた仏間。リフォーム前は和室に仏壇を西向きに置かれていました。
仏壇は通常、東か南向きがよいとされていますので、
一番いい場所に南向きにスペース確保してご提案しました。
右手引戸の奥はウォークインクローゼットに繋がります。
右の写真はウォークイン側から仏間の裏側を見たところ。
右手は廊下につながっていて、仏間を中心に廻れる動線ができています。
Title 事例紹介2011-13
Posted 2011/05/07
Category 改修事例紹介