事例紹介2014-40 岐阜県安八郡
岐阜県安八郡の詳細調査 アイ・アーキテクト 石原靖子
調査概要
■所在地 岐阜県安八郡安八町
■調査日時 2014年8月11日
■構造規模 木造2階建て
■床面積 約220㎡(約67坪)
■築年数 約50年
■改修履歴 約50年前に約55坪の2階建てを建築。約30年前に約12坪の平屋を増築。現在に至る
ライフスタイルの変化に伴い、改修計画をご検討中のお客様からご相談を頂きました。
お客様は「調査もせず改修プランを提示してくる建築会社」に、違和感を覚えてみえました。
詳細調査後、改修計画を提案させていただくために、今回の調査の運びとなりました。
住宅医、WOODACスタッフ、住宅医スクール・木造建築病理学の修了生・受講生の計14名で調査を行いました。
タイムスケジュール、役割分担等打合せの後、調査開始。
調査前日が大雨でお天気が心配されましたが、調査日はお天気にも恵まれ、
外部、屋根の調査も順調に行うことができました。
■内部調査の様子■
劣化状況、柱の傾斜、床レベル等を測定しました。
■1階床下調査の様子■
敷土台の水浸み、蟻害が確認されました。
含水率計により、土台・束・大引・根太・床下地板の含水率を測定しました。
床下の断熱材は確認されませんでした。
■小屋裏調査の様子■
水浸み(雨漏り)のあとは確認されませんでした。
断熱材が天井、屋根ともありませんでした。
壁には土壁が確認されました。
断熱材の現況を知ることで、
改修後の温熱環境の提案をシミュレーションと共に、より具体的に提案できます。
■2階床梁調査の様子■
構造図を復元できるよう、調査しました。
猛暑の中での調査でしたが、事故・怪我がなく、順調に調査が完了しました。
一人ではとてもできない調査を、住宅医の既存ドックを活用することで、
効率よく正確に調査することができ、ご協力頂いた皆様にお礼申し上げます。
未調査の部分もありますが、このような調査をすることで「壊してみないとわからない」を極力減らすことができ、構造計画、温熱環境計画、意匠計画、改修計画等が具体的に立てやすくなりました。
改修工事予定の工務店スタッフ(現場監督、大工さん)にも参加頂いた方がよかったかな、というのが反省点です。
また、報告書をまとめることで、写真の取り方や野帳の書き方のコツも見えてきました。
初めて調査に参加しましたが、
専門家がチームを組んで詳細調査を行う「既存ドック」の有効性を体感しました。
設計の差別化になるし、何よりもお客様に現状を知っていただくことができます。
このシステムを、エンドユーザーに広く認知してもらえることを願います。
ご協力頂いたみなさま、ありがとうございました。
アイ・アーキテクト 石原