住宅医スクール2014 東京 第4回のご報告

9月4日(木)、住宅医スクール2014東京・第4回が開催されました。

今回は「木材の劣化と対策②」「防蟻対策の実務」「構造的不具合の原因と対策③」「住宅改修事例を語る③」の4講義が行われ、40名が受講されました。

第1講義「木材の劣化と対策②~木材の防腐対策・防腐に向けた様々なアプローチ」

桃井郁夫 氏/独立行政法人森林総合研究所木材改質研究領域チーム長

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第1講義は、木造住宅に菌を寄せ付けない環境の作り方からはじまり、木材の保存処理の種類、保存処理木材の性能といった木材の防腐に向けた様々なアプローチについての講義でした。無処理、保存処理の木材の耐久性や、木材保存剤の安全性については、野外の暴露試験結果や化学的成分分析に裏付けられた解説をしていただきました。

第2講義「防蟻対策の実務~シロアリ駆除と予防法の事例」

水谷隆明 氏/阪神ターマライトラボ代表

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第2講義はシロアリの生態、侵入パターン、被害実態の事例、シロアリ駆除の事例、予防対策についての講義でした。水谷氏自らが行ったシロアリについての観察、調査、対策などのリアルな現場情報満載のお話でした。

第3講義「構造的不具合の原因と対策③~伝統木造の耐震設計」

山田憲明 氏/株式会社山田憲明構造設計事務所代表取締役

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第3講義は、伝統木構造について、概要からはじまり、構造要素、耐震設計、耐震補強と耐震改修の講義でした。1講義ではおさまりきれないくらいの内容でしたが、限界耐力計算の概要や山田氏が携わったお寺や住宅などの耐震診断と耐震改修事例も紹介していただきました。

第4講義「住宅改修事例を語る③~古民家再生から見える日本の家」

松井郁夫 氏/株式会社松井郁夫建築設計事務所代表取締役

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第4講義は「古民家再生から見える日本の家」をテーマに、伝統的構法とは何かにはじまり、伝統木造の実大実験や民家調査から見えた知恵と工夫、松井氏が手がけた古民家の改修事例の講義でした。民家調査に基づく分析や貫構造の考え方などを踏まえた、改修事例の詳細な解説をしていただきました。

以上で第4回の4講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

(関東事務局 森本)