住宅医スクール2016 東京&大阪 第3回の報告

第3回は劣化維持管理、当協会代表理事の中島先生、京大の簗瀬先生は、
4会場とも飛び回っていただきます。

そのうち、東京第3回(8月18日)大阪第3回(8月27日)が終了しましたので報告します。

ゲスト講師も東京大阪共TVでお馴染みの匠、瀬野先生に語っていただきました。

第1講義 木材の劣化と対策① 簗瀬佳之氏(京都大学大学院農学研究科助教)

第2講義 木造建築物の耐久性能と維持管理方法① 中島正夫氏(関東学院大学 建築・環境学部教授)

第3講義 木造建築物の耐久性能と維持管理方法② 中島正夫氏(関東学院大学 建築・環境学部教授)

木造じ住宅劣化事例Q&A(東京:小柳理恵(住宅医協会理事) 大阪:西久保美和氏(しましま設計室)

第4講義: 住宅改修事例を語る-② 瀬野和広氏(瀬野和広+設計アトリエ)

 

☆受講者のアンケートから☆

・簗瀬先生のシロアリの情熱的な講義が良かった。

・劣化の話は実験の裏付けがあって、今後の実務の材料選びでも活かしていきたい。
資料が小さい部分もあり残念だった。

・大学の講義を聞いているようで、実践的な話を聞きたい。

(回答 事務局より)劣化、維持管理の話は次回も続きます。
次回は実務のエキスパート、実物を持った話が繰り広げられます。
一部今回の復習的な内容も含まれますので、繰り返し頭に入るようになっております。お楽しみに。

・Q&Aは実務に役立つ内容ばかりで大変良かった。

・ライブ感のあるQ&Aと、第4講義の瀬野先生の話は面白かった。

・瀬野先生の強制対面キッチンが面白かった。

 

・蟻害や腐朽が発生した場合、初期段階であれば進行を止める方法はあるのでしょうか?

蟻害については、初期段階であれば被害もそれほど広がっていないため、薬剤処理で早期処置が可能です。
腐朽については、腐朽の発生条件を抑制する必要があります。
特に水分条件(例えば結露、漏水、雨漏り等)を抑制するために、
腐朽が発生した環境を調査し、対策する必要があります。(簗瀬先生)

・羽根アリはすべて白アリのものですか?黒アリでも飛びますか?

クロアリの羽アリもシロアリと同じように飛びます。
見分け方は3点あります。
1)翅・・・4枚がほぼ同じ大きさ(シロアリ)、前の翅が後ろより大きい(クロアリ)
2)胴体・・・くびれがない(シロアリ)、頭部、胸部、腹部のくびれがはっきりしている(クロアリ)
3)触角・・・数珠状でまっすぐ(シロアリ)、「く」の字型になっている(クロアリ)(簗瀬先生)

・振動を検知して場所を特定する方法は画期的だと思った。シロアリを駆除ではなく、寄せ付けない方法はありますか。

寄せ付けない(予防)については、薬剤による土壌処理、木部への吹付および注入処理が一般的です。
近年、薬剤を使用しない物理的な予防方法も実用化あるいは研究されています。
例えばステンレスメッシュ(金網)を施工して、シロアリが網目を通り抜けられないようにする工法や、
岩石破砕物などの粒子材料で、特に「シロアリ(職蟻)が口器でくわえて持ち運べず、粒子同士の隙間を通り抜けられない」
サイズのものを層状に施工し、地下からのシロアリの侵入を防ぐ工法があります。(簗瀬先生)

・加圧注入材の方がヒノキより長持ちしますか。金物との相性ですが、一般的な金物で対応できますか。

一般的には加圧注入材>ヒノキですが、加工穴からの水の侵入による腐朽があれば、ヒノキの芯持ちの方が耐久性がある。
処理を忘れないように。金物は薬剤との相性、銅系イオンを使っているものは考えなければならない。(中島先生)

・雨水の跳ね返り対策で基礎の高さは土台下端で40cmが基本とありましたが、
リフォームだとそれより低い物件も多いのでそういう場合の対策はありますか?

中古住宅長期優良化リフォームの基準。軒の出を出すなどの対策を取る(中島先生)

・日本の風土では、2×4工法 在来工法どちらの工法が良いのでしょうか、
又 建物施工中柱梁等が雨に濡れない様にブルーシート等で雨養生をしておりますが、
濡れた場合と濡れない場合では耐久性に影響はありますか?

風土的には在来工法の方が間口の制約が無いことなどから向いていると考えられる。
ただし、2×4工法はまだ50年程度、実証的にはわからないが、今のところ解体しても問題なさそうといえる。
ブルーシートの保護しないことによる雨水が耐久性に与える影響はほとんどない。ただし、カビは発生する可能性はある。(中島先生)

※全ての質問に回答できておりません。ご了承下さい。