事例紹介2015-53 東京都東久留米市
東久留米市E邸 詳細調査
報告:太田陽貴 /ヒダマリデザイン設計室
物件概要
■所在地:東京都東久留米市
■調査日時:2015年9月29日(火)
■構造規模:木造2階建て
■延床面積:約96㎡(約29坪)
■築年数:築約40~45年(詳細不明)
閑静な住宅街にある2階建ての住宅。依頼主のEさんご夫婦は、現在70才代。約25年前に築20年程の住宅を購入し、お子さん2人と合わせて4人で暮らしていました。購入時には既に1度増築しているとのことでしたが、4人で住むに当たり部屋数を増やすために1、2階共に増築をし、その後一度も改修をしていませんでした。お子さん2人とも独立され、ご夫婦2人で快適に過ごしたいという事で全面的なリフォームを前提にご相談を受け、改修計画をたてるに当たり、詳細調査の運びとなりました。当日は、住宅医・インスペクター4名、住宅医スクール生4名、当事務所1名、合計9名で調査を致しました。
調査の模様
調査員全員揃ったところでEさんにご挨拶し、調査時間等のご案内をして全体ミーティングを行いました。①採寸・仕上 ②劣化(屋外)・設備(設備機器、設備図) ③劣化(室内)・設備(配管設備)・バリアフリー・火災時の安全性 ④床下 ⑤小屋裏・2階床下の5班に分かれての調査となりました。
事前調査の段階で、工務店さんに増築部分の1階の床と2階の天井に開口を開けて頂いていたので、当日はスムーズに調査をすることが出来ました。ご主人は調査中ご在宅でしたが、庭掃除などをされながら調査を見守っていてくださいました。
②、③の劣化・設備チームはすぐに調査にかかってもらい、④床下と⑤小屋裏・2階床下チームには、主担当、サポート住宅医と一緒に進入口の確認後、調査開始となりました。2階床下を見る手段のみ調査当日の確認でしたが、1階の収納の天井から見ることができ、荷物の移動のご協力のみで無事進めることが出来ました。
床下・小屋裏チームと進入口の確認
採寸・仕上調査
事前に間取りの把握、天井高さまでは計っており、平面図と立面図に図面化するところまでは当日までに準備できましたが、矩計や細かな枠周り、調べきれていなかったことを確認することが出来ました。仕上も、仕上げ材の種類、厚み等可能な限り確認をしました。
(左)劣化調査(屋外) (右)劣化調査(室内)
劣化調査(屋外)では、建物の外部の劣化について調べました。外壁のクラック、樋、破風、鼻隠し、軒裏の劣化等が見られました。劣化調査(室内)では、建物内部の劣化について調べました。写真は柱の傾きを調べているところです。また、東側の窓に漏水跡が見られましたが、Eさんからも一度雨漏りが有ったという話と合致します。リビングの床に一部沈む場所がありましたが、床下調査の内容、改築工事の経緯と合致することが後に分かりました。
床下調査
増築部分の和室以外は、キッチンの床下収納庫から進入して調査をしました。劣化(内部)にてリビングの床の沈みの指摘は、床下からの確認で、2重床部分に原因があることが分かりました。建物購入時に和室を洋室に改装していた経緯で2重床になっていたことも分かりました。また、配管経路についても確認しました。地盤面が土なので、湿度は高く、木材の含水率も高いことが分かりました。
(左)小屋裏調査 (右)2階床下調査
天袋の床と、脚立等を利用して小屋裏と2階床下の調査を行いました。小屋裏は屋根勾配が低いので中に入っての調査が出来ませんでしたが、3ヶ所の進入口から概ね確認することが出来ました。2階の増築部分は、既存の屋根の上に二重で屋根をかけている様子が分かりました。2階床下は、梁で一部見えない部分と増築した部分を除き、部材について確認することが出来ました。断熱材、筋違、壁の構成など内部から見えない部分について確認し、含水率を計測しました。
お昼休み
リビングをお借りしてお弁当を頂いた後、午前中の内容について打合せをしました。進捗状況に合わせて午後の作業の分担をしました。主担当から、増改築の経緯の説明をし、各チームから増改築が原因と思われる内容の確認を行いました。
バリアフリー調査・火災時の安全性
床、階段、浴室や玄関の段差、開口部、廊下の幅などを調べます。もともと和室を洋室にしたため、各部屋に段差があります。火災時の安全性については、火源の内装、火災報知器や消火器の有無等の項目に沿って確認します。
設備調査(設備図)・設備調査(配管)
電気、給排水設備の位置の確認をし、図面にプロットしました。配管については、通水検査にて赤水の有無、漏水を確認し、排水についても水の流れを確認しました。
野帳まとめと引き継ぎ
調査した内容を各チームごとにまとめて、主担当へ引き継ぎし、調査終了となりました。
集合写真
お客様には、約1か月半後に調査報告を行う予定をしています。良い提案が出来るようにまとめていきたいと思います。調査員の皆さん、手際よく調査を進めてくださりありがとうございました。
ヒダマリデザイン設計室 太田陽貴