住宅医スクール2015 東京 第6回のご報告

11月5日(木)、住宅医スクール2015東京・第6回が開催されました。
今回は「防火性能の改善と対策」「設備の劣化診断と対策」
「住宅改修における高齢者対応」「住宅改修事例を語る②」という4つの講義が行われ、
40名が受講されました。
 
第1講義「防火性能の改善と対策~防火の基礎と火災時の安全性」
安井昇氏/桜設計集団一級建築士事務所代表
安井さん2
第1講義は安井昇氏より、防火の基礎と火災時の安全性について、
火災事例や原因、防火性能のもつ意義や防火対策のポイントなどをお話いただきました。
普段体験する機会の少ない火災ですが、実際に起こるとどんな状況となるのか、
内装の違いで燃え広がりにどのような差があるのかなど動画での説明はとても説得力があり、
建築物の耐火時間と避難時間との関係性など、
感覚的に理解を深められるような講義となりました。
 
第2講義「設備の劣化診断と対策」
清水基之氏/㈱清水代表取締役
古川泰司氏/アトリエフルカワ代表
古川さん清水さん
第2講義は、設備配管を施工する専門職の清水基之氏と一級建築士の古川泰司氏により、
配管の基礎や設備の診断方法、住宅設備のトラブル解消法など設計者が思う疑問点を
専門職に回答していただくというQ&A方式でお話いただきました。
配管の見分け方から設計時に配慮するポイント、注意が必要な事柄など、
住宅設備工事に関係する様々な事例の疑問点について
普段なかなか見聞きする機会のすくない現場の生の声を聞かせていただきました。
 
第3講義「住宅改修における高齢者対応~高齢化社会と住宅改修のニーズと実践」
溝口千恵子氏/㈱高齢者住環境研究所代表取締役会長
溝口さん
第3講義は、溝口千恵子氏により、
高齢者や高齢社会の現状、バリアフリーにすることの意義、介護保険制度の仕組み等について、
分かり易く解説していただきました。
合わせて、これまで6000件以上もの要介護高齢者の住宅改修を行ってきた溝口氏が
経験から得てきたバリアフリー設計に対する知見について、
住宅の場所別に改修時のチェックポイントなどをお話いただきました。
 
第4講義「住宅改修事例を語る②~R不動産のリノベーション」
吉里裕也氏/R不動産株式会社代表取締役
吉里さん
第4講義は吉里裕也氏により、いま熱い注目を浴びるR不動産のこれまでとこれからについて
お話しいただきました。
1.都市×不動産:建築からマチへ展開するリノベーション
2.建築×不動産:マーケティングとリノベーション
3.建築×素材:自らリノベーション
建築・不動産・まち・流通・建材・・・と多岐の分野を横断するR不動産の取り組みについて、
3つのテーマごとに実際に手がけられた事例を紹介いただくなかで、
今後の建築や不動産の在り方について深く考えさせられるような講義を行っていただきました。
 
以上で第6回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。
次回は、年内最後の講義となりますが、
建築契約の実務、最新の住宅関連施策の動向と対応、マンションリフォーム、高齢化社会と健康
について講義が行われます。
いずれも住宅の設計や施工を行う皆様にとって非常に役立つ講義となりますので、
奮ってご参加いただければと思います。
(関東事務局 小柳)