住宅医スクール2014 東京 第7回のご報告

12月4日(木)、住宅医スクール2014東京・第7回が開催されました。
今回は、契約・行政施策・マンションリフォームをテーマに「契約実務の留意点」
「木造住宅関連施策の動向とその対応」「マンションリフォーム①-基礎」
「マンションリフォーム②-実践」という4つの講義が行われ、
27名が受講されました。
 
第1講義「契約実務の留意点」
田中健司氏/㈱田中工務店 代表取締役
田中さん
第1講義は、㈱田中工務店 代表取締役の田中健司氏より、契約実務の留意点について、
木造住宅の瑕疵および依頼者とのトラブルを回避する方法などをお話いただきました。
クーリングオフや重要事項説明など、契約時に注意が必要な書面の交付や説明内容、
また、田中氏が日々の契約実務の中で必要に応じて変更・追加している契約約款の内容や
注意点について、過去に起こった実例を交えて分かり易く説明していただきました。
 
第2講義「木造住宅関連施策の動向とその対応」
池田浩和氏/岡庭建設㈱ 専務取締役
池田さん
第2講義は、岡庭建設㈱ 専務取締役の池田浩和氏より、木造住宅関連施策の最新情報と
対応実践例についてお話いただきました。
省エネ基準の見直しに伴う改正内容や施行スケジュール、認定低炭素住宅やCASBEEの説明、
住宅性能表示制度の改正についてなど、最新の施策について分かり易い説明をいただきました。
また、平成27年度の予算概算要求と税制改正要望について、
木造住宅に関わる要求事項について説明していただく中で、国が推進しようとしている内容から
今後の木造住宅界が進んでいく方向性までが分かる貴重な講義となりました。
 
第3講義「マンションリフォーム①-マンションリフォームの基礎」
第4講義「マンションリフォーム②-マンションリフォームの実践」
小谷和也氏/㈱マスタープラン一級建築士事務所 代表取締役
小谷さん
第3・第4講義は、㈱マスタープラン一級建築士事務所 代表取締役の小谷和也氏より、
国産木材を生かしたマンションリノベーション手法についてお話いただきました。
前半の基礎編では、マンションリフォームに必要な基礎知識について、
専有共有部の説明や躯体構造、管理組合への確認内容や書面、竣工図内容など、
リフォーム前に必要な段取りについて分かり易く説明していただきました。
また、リフォーム時の改善要望として上がる断熱性や、マンションリフォームのクレーム事項に
大きく関わる床の遮音性能について、数値や実験結果を示していただきながら
具体的にどのような対策をすればよいのか、詳細に解説していただきました。
後半の実践編では、リフォーム前の採寸や調査について実際に小谷氏が行っているやり方を
紹介していただき、工事時の注意点や対策法、リフォームの設計ポイントやコストまで、
これまでの多くの実例を踏まえた生きた知識を分かり易く教えていただきました。
 
以上で第7回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。
次回は、2014年度の最終講義となりますが、
既存住宅の改修方法について、実例をみながら構造や温熱環境の実際についての講義が行われます。
また講義の終わりでは住宅医検定会が行われ、住宅医スクール修了生によるリフォーム事例の
発表をしていただきます。
住宅改修設計の事例を多く知ることは、何よりも実務に役立つ貴重な知識となり得ますので、
皆様のご参加をお待ちしております。
(関東事務局 小柳)