住宅医スクール2015 東京 第5回のご報告

10月15日(木)、住宅医スクール2015東京・第5回が開催されました。
今回は温熱環境と省エネをテーマに「温熱環境の改善と対策①」「温熱環境の改善と対策②」
「温熱環境の改善と対策③」「住宅改修事例を語る①」という4つの講義が行われ、
49名が受講されました。
 
第1講義「温熱環境の改善と対策①~温熱・結露診断手法1」
第2講義「温熱環境の改善と対策②~温熱・結露診断手法2」
辻充孝氏/岐阜県立森林文化アカデミー准教授
辻先生
第1~第2講義は連続講義として、辻充孝氏により、
住宅の断熱性能・日射制御・結露判定を数値で導くための診断法についてお話いただきました。
前半は、断熱の意義や基準の概論、外皮平均熱貫流率UA値と熱損失係数Q値について、
後半は、外皮平均日射熱取得率ηA値と夏期日射取得係数μ値、
結露現象の基礎知識や防露判定などについて、計算プロセスを詳細に解説いただきました。
本講義では、講義内容の理解をより深めるために宿題が出されました。
提出者には外皮や日射・防露の検討ができる辻氏作成の温熱計算ソフトが配布されます。
 
第3講義「温熱環境の改善と対策③~住宅の省エネルギー評価の基礎」
三浦尚志氏/国土技術政策総合研究所住宅研究部 建築環境研究室
三浦先生
第三講義は三浦氏により、温熱環境を学ぶ上での土台となる知識についてお話しいただきました。
住宅内の環境が不快と感じるのは何が原因でどのような対策法があるのか、
暑さ・寒さ・通風・結露などについて、分かり易い言葉で解説いただき、
そうした現象を数値で表現することの意義について教えていただけました。
 
第4講義「住宅改修事例を語る①~伝統木造の温熱・省エネ改修手法」
松井郁夫氏/一般社団法人ワークショップ「き」組代表理事
松井先生
第4講義は松井氏により、伝統的構法とはどのようなものかという基礎知識や、
実大実験内容から見る伝統木造の特徴や性質、民家調査から見えた知恵や工夫など、
伝統的な木造を理解する上で為になる事柄についてお話しいただきました。
また、最近積極的に取り組まれている伝統的構法の断熱改修事例などについても、
実例をもとにご紹介いただきました。
 
以上で第5回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。
次回は、防火・設備・高齢者対応について実践的な講義が行われます。
いずれも設計時に欠かすことのできない貴重な知識を得る場となりますので、
皆様のご参加をお待ちしております。
(関東事務局 小柳)