各地の住宅医の日々 №35 ~住宅医として学んだことを活かして

石田 正年住宅医 / (株)自由工房 静岡事務所)

初めまして。
富士山は雪化粧が始まり、よく見みると、紅葉が深まっているのも分かります。


実測から学んだ手法をベースにした新築「富士の住い」と11月下旬の富士山

さて、住宅医としての日々。
新築も改修もあまり区別をせず、同じ「家づくり」として対応しています。新築でお問合せ頂いても既存住宅を改修した提案をすることもありますし、改修でお問合せ頂いても建替え(新築)を提案することもあります。
住宅医としては、土間があり田の字の間取りで、玉石に乗っているような古民家は対応しやすく、昭和30年以降の住宅は難しいです。古民家は間取りもシンプルで構造的にも安定していて、今の暮らしへの変更にも柔軟に対応していけます。昭和30年以降の住宅は、間取りが複雑で今の暮らしに対して納得いくような計画ができず、耐震等級3やHEAT20 G2といった性能の確保も難しい。新築と同じ位の費用をかけて改修しても新築のような性能が確保できない…(力不足かもしれませんが)。
一方、住宅医として実測から学ぶ点も多く、改修に至らなくても、新築で活かされています。
長押高さや軒高さといった居心地の良い寸法、おおらかな屋根、縁側や軒下のような中間領域、シンプルな間取り、建具、素材、等々…。設計のベースになっているように思います。

昨年、改修した住いの様子

古民家の再生。住宅医スクールで学んだ 上げ家をしない工法を採用


同上完成写真


| 追記 |
富士宮にある日本建築専門学校 https://nihonkenchiku.ac.jp/ で設計製図を教えています。実測を通して居心地のよい寸法を学んだことなどを伝えられればと、名作住宅(軽井沢の山荘、前川國男自邸、増沢洵自邸)の「原寸で模写する」ことを試みています。学生は墨つぼや差し金を使いながら作図し、居心地の良い寸法を体感していきます。


原寸で模写している様子

石田 正年
©Masatoshi Ishida , jutakui


 LINK
(株)自由工房 静岡事務所 http://ziyuu.co.jp/
学校法人富嶽学園 日本建築専門学校 https://nihonkenchiku.ac.jp/