各地の住宅医の日々No.16 | 化学物質過敏症の方からの問合せ
澤田 博( 住宅医 / 新協建設工業(株)/ 広島県 )
■まん延防止等重点措置により、集客イベントの自粛が続きましたが4月から再開を決め、お客様に当社の取組みを知ってもらえる遠足企画として、山口市で「美味しいイチゴ食べ放題」、「エコロジカルな養蜂園&筍掘り」を組み込んだ「コロナに負けない免疫力アップツアー」バスハイクを開催しました。山口市には住宅医の田尻裕樹さん(株式会社 再生工舎代表)がおられます。偶然か必然なのか?行程ルート上に所在していたのも“何かの縁”と無理言って立ち寄り、再生工舎リノベーションスタジオの隣で絶賛改修中の古民家再生現場を見せていただき、住宅医の仕事の一環を拝聴することで当社のお客様にも理解してもらえたと感じています。(田尻さんありがとうございます。)
集客イベントは感染対策等、制約や気遣いも多く何かと悩ましいものの、今回のような絆や繋がりを深め、COVID-19と共存する考え方で取組んで行こうと考えています。
■そんな中、「倉敷で中古マンションを購入したらニオイが強くとても住めない。なんとかならないですか?」と問い合わせ相談がありました。
室内空気指数が表示できる “多機能空気品質検知器” を使い測定した結果、健常者には気にならない数値ながら、過敏な方には苦痛な状況であることが判りました。ひとまず室内空気環境を改善できる提案と換気機能を有さないエアコンフィルターの掃除と定期的な無添加洗浄で澱ませない換気ルートを確保し、プラス空気清浄機の設置をお勧めしました。
化学物質過敏症の方からの問合せ “ 多機能空気品質検知器 ” 計測の結果、健常者には気にならない程度の数値
THE RIGHT TO HEALTHY INDOOR AIR:健康的な室内空気への権利(2000年WHO報告書)には「全ての人は、健康的な室内空気を呼吸する権利を有する」と記されています。
現代人は「住宅、職場、公共施設、交通機関」などの人工的な室内空間で多くの時間を過ごし、これら室内空間において汚染され有害な空気に曝露すると、呼吸器系疾患、アレルギー疾患、粘膜系への刺激など、多様な影響が生じる可能性があります。報道などで目にする機会が減っていてもシックハウスやシックカー症候群、化学物質過敏症で苦しむ方は減っておらず、住まい手の健康増進に寄与する健やかな住空間「住まいながら健康になれる家」を引続き追求します。
■広島県は温暖なイメージがありますが、県北にはスキー場があり、急傾斜の山林が多く冬場は意外と寒く、断熱改修すると大変感謝されます。住まいの高断熱化により「燃費半分で暮らす家」に取り組み続けており住宅医として学びを怠らず、断熱 + 耐震性能 + おいしい空気の吸えるストレスフリーな住環境づくり を目指し、木構造勉強会や既存木造家屋構造調査会にも可能な限り参加し見聞を深め、役立つ存在として歩んで行きたいと考えています。