各地の住宅医の日々No.23~実務者としての研鑽と他団体との協調

川端 順也 住宅医 /(株)プレゼントデザイン / 広島県

今、東京に向かう新幹線の中で、書いております。目的はForward to 1985 Energy Lifeの全国省エネミーティングに参加するためです。住宅医の皆さんにもよくご存知の団体かと思います。
私が三澤文子先生と初めてお会いしたのも、2013年に神戸で行われた1985の省エネミーティングでした。そこから、MOKスクールに参加したり、住宅医講座を広島で開催いただいたりと、本当に貴重なご縁をいただいています。
また、今年の12月で、設計事務所として、独立して10年になります。このようなタイミングで、記事を書かせていただくことに、本当に感謝しております。

今回、ご紹介させていただくのは、広島での二つの取り組みについてです。
一つ目は広島の住宅実務者の勉強会、レモンの会の取り組みです。元々は省エネ住宅の普及を目的に有志で立ち上げた団体ですが、現在はG2、G3だけではなく、パッシブハウスを施工する会員もいて、県内でもハイレベルな団体になっています。
パッシブハウスも含め、高断熱化が進むと、冬の暖房よりも夏の冷房計画が課題になってきます。
そこで、今年度は「ミライの住宅」の空調講座を受講しています。
室内干しによる潜熱負荷、ゲーミングパソコン、プロジェクターなどの家電による顕熱負荷などを拾い出し、℃、○㎥の空気を送れば、室温が□℃になるということを地道に計算する研修を受けています。


講座の様子各地の住宅医の日々

床下エアコンの空気の流れを理解

実測して床下エアコンの動きを確認

せっかく、お客様に投資していただいた高断熱高気密の家が、暑くなるというクレームにならないように、今の知識に満足することなく、仲間と研鑽をしていきたいと思います。

もう一つの取り組みは、建築外の方達との交流です。
これも1985ひろしま拠点の仲間で、新しく取り組んでいることになります。全国には地球温暖化防止活動推進センターという組織があり、それぞれの地域で、環境教育や省エネ普及などを行っています。
広島県の同センターは毎年、地球温暖化防止活動推進員を募集しており、この推進員になるべく受講しています。
講座の内容としては、環境活動を企画・立案して、それを実際に行い、報告するというものなのですが、すでに推進員をされている方は、環境には興味があっても、建築には詳しくない方が多いということで、住宅の省エネについて、すでに推進員として活動されている方に講座をするという、少しおかしな構図ですが、呉市と広島市でお話しをさせていただきました。


講座の様子
各地の住宅医の日々No.23

北栄町公民館断熱改修ワークショップ
川崎、広島をリモートで繋いで開催

地元の工務店や子供たちが参加
各地の住宅医の日々No.23

そこで、以前関わらせていただいた鳥取県北栄町にある公民館の断熱改修をご紹介したところ、来年度に推進センター事務所のDIY断熱改修をお手伝いすることが決まり、市民を巻き込んで、省エネ普及ができればと意気込んでます。

建築業界の中での学びももちろん大切ですが、これからは他団体との連携も積極的に行っていきたいと考えています。
私が独立をしたきっかけは、省エネ普及のためです。
10年経ちますが、初心を忘れず、これからも活動していきたいと思います。


LINK
・(株)プレゼントデザイン https://pleasant-design.com/
・Forward to 1985 energy Life https://to1985.net/
レモンの家の http://www.lemon-house-setouchi.com/ 
・地球温暖化防止活動推進センター https://www.jccca.org/