各地の住宅医の日々No.22 ~手刻みの技術をつなぎたい

篠田 三起子住宅医 / Buku「暮らしの中のデザイン室」/ 奈良県

どの業界も高齢化が進み次世代への継承が及ばず、様々な分野の職人の技術いつのまにか失われているようです。そのことは、ある意味、需要と供給のバランスや社会情勢などで仕方がないことで、今まで自分事だと全く感じていなかったのですが、あるきっかけがあり、ゆるく参加した工務店の集まりで、大工さんの職人不足、手刻みの技術の継承が危ぶまれていることを知りました。何とか少しでも次世代へ技術のバトンを渡したいと考えている工務店の集まりがのちに 手刻み同好会(野池政宏氏代表)となりました。
私も何十年とお世話になっている建築業界でなにかしらお役に立てることがあるかもしれないと、参加させていただき、現在は企画、広報的な活動で手刻みの普及活動と共に、職人さんとも関ることが増え、つくり手の想いに触れる機会にふれ、改修の設計にも学びが多いです。さて、ちょうど 1年前に企画したのは若手大工さんの建て方の祭典。
どうアピールしたら若い人が大工さんになりたいと思うのか とか、 住まい手にどうしたら手刻みで建てる家の良さを認知していただけるのか などを考え思いついたのは、今ではほとんど見かけない建て方のシーンでした。昭和ですが、子供のころ見かけた棟上げの大工さんは皆が カッコイイ! とワクワク足を止めたのを思い出しました。各々の有志工務店が考えた 10㎡ 以内の手刻みを終えた材を持ち込んで、たった 1時間 で組み上げるライブ。


photo by:茶本 晃生

奈良県には木材の産地、吉野があり、原木市場、製材所とそして山や川と自然が豊かです。吉野町や組合その他たくさんの方々の理解や協力をとりつけ実現しました。
山に響く掛矢の乾いた響きや、大工さん達の勇姿は神々しく感じた方も多かったと思います。きっとそれは吉野の美しい材と大工さんたちの木づかい、手をかけ、時間をかけ作り上げたものに神が宿るのだと確信しました。決して多くはなくても何かのきっかけが手刻みの家を建てたい人や手刻みの大工さんになりたい人につながればいいなと考えています。

活動の記録を YouTube配信 でつづっています。野池政宏氏、堀部安嗣氏、山辺豊彦氏 先生方のお話しも収録させていただきました 是非ご覧ください。建て方の祭典は全国に広げていこうと只今絶賛売込活動中です。

(動画・音声が流れます)


LINK 
・手刻み同好会 https://note.com/tekizami_2021/
・Buku「暮らしの中のデザイン室」 https://buku-archi.com/