各地の住宅医の日々No.20 ~住宅医のつながりで、エムズ設計住宅のメンテナンスと高気密高断熱住宅の新築

佐藤 裕希子 (住宅医 / 設計事務所サイク 広島県)

当設計事務所は 3年前に東京から、広島に移転して参りました。移転当初は図らずもコロナ過と重なり、見通しもつかず不安な日々でもありました。そんななか、広島にある三澤康彦さん設計の住宅のメンテナンスに取り組ませていただきました。当初は近所の工務店などにご相談されたようですが、納得することが出来ず、エムズを通して私のほうに相談がありました。住まい手の要望としては、広島在住の住宅医に今後見据えたメンテナンスも含め、三澤康彦さんの設計を活かした改修を希望されておりました。住まい手の話に耳を傾け、エムズの担当者と連携し、三澤さんの物件を手がけたことのある施工者で住宅医でもある新協建設工業㈱ 澤田さんに施工を頼むことで、住まい手にご満足いただけたかと思います。


アプローチから玄関への眺め

この春には新協建設工業㈱ 施工で高気密高断熱の新築住宅を竣工しました。住まい手はリビングにサッシを L型 に配置し、それを活かした設計を望まれていたので、2階 LDKには 3方向(内 2面は L型)を大きく開く高断熱樹脂サッシとした上でハニカムスクリーンを設置しました。他はコストバランスを考慮し、目安として ” HEAT 20 ” の指針を基に G2グレード をクリアする設計としております。L型 のサッシの中央に吉野杉の丸柱を配置するなど意匠にこだわった分、気密性能を確保するのが難しい部分もありましたが、性能を確実なものとするために施工者には尽力していただき、同じ住宅医として、今後のメンテナンスも見据えた設計と施工を行えました。


2階 LDK 窓越しに開けた景色が広がる

最近、東京在住の方から、広島在住の親御さんのご自宅の相談を受けました。もともと数年前に大規模改修を行いましたが、昨年、水漏れが起こり、改修を行った会社に補修してもらうも一年たった今も不具合が残ったままとのことで、この一年間、何度か調査と補修を繰り返す度に原因不明と。
住まい手、遠く離れたお子さんともに疑心暗鬼になっておられました。施工の良し悪しは別として、明らかに施工会社の説明不足でした。
じっくりと話を聞き、調査報告をして安心されました。今後、このように離れて暮らす家族を心配する方々が安心して暮らせるように、各地の住宅医が連携出来ることを願っております。