各地の住宅医の日々№11 ~冬の始まりにおもうこと

宮﨑 直也住宅医 宮﨑建築㈱ 新潟県

私の住まいは新潟県の北部に位置する阿賀野市にある。
阿賀野市には瓢湖(ひょうこ)という湖があり、冬になると多くの白鳥が訪れる。
今年もすでに5000羽以上が飛来しているようだ。
白鳥達は日中、稲の切り株となった田んぼに落穂を食べに行くため、近くの道路を通ると至近距離で白鳥を見ることができ、冬の風物詩となっている。


自宅近くの田んぼにて

私は2013年頃から新築でも改修でも高断熱住宅を基本としている。
ただ「紺屋の白袴」の言葉の通り自宅は寒い家のまま。
これまで、冬は寒くて辛いというイメージを持ち続けていたが、3年前に農作業小屋だった建物を事務所にリノベーションし、暖かい暮らしを体感することとなった。
厳しい冬の風景も、暖かい家の中からは美しい雪景色に見えてくる。
今では家が暖かくなると、冬が楽しみにすらなると感じている。
自宅は寒い家のままだが・・。(笑)

住宅医スクールで学んだ知識を生かし、これまで何件かを大規模改修で暖かい家にしてきた。
この時期になると現場への往復時など、暖かく暮らしているお施主様家族のことを考えほっこりとしている。


改修工事の様子

一方このところ、別の自分に気づいている。
それは、車でどこを走っていても、あの家もこの家も寒そうな家を見ると「治したいなぁ」と思ってしまうこと。

気になっている自分、お節介だけれども5年後、10年後そういうお節介が喜ばれる仕事をしている会社になっていたい。
たいそうなことを言えば「会社の存在意義」。
だけれどもそれを目標にしたい。
それには一般の方にもっと伝えたい。
住宅の高性能化の機運が高まってはいるが、業界で話しているだけでは届かない。
どうすればいいか、そんなことを考えている。