各地の住宅医の日々№06 〜改修(リフォーム)工事のその先へ  

田中ナオミ( 田中ナオミアトリエ / 住宅医 / 東京都 )  

わたしは、公認住宅医会員ID No.sapj2015001だ。これはつまり何を意味しているかと言うと、2015年住宅医認定制度の第一号という事なのだ。(チョット自慢)認定を受けてから、リフォームが「片手間仕事で誰でも簡単に安価に出来る」という危険な一般認識に対して、一定レベルの性能に向上させる専門家(住宅医)の仕事である、という啓蒙をずっとしている。と…硬いことを言っておりますが、要はそのために予算枠を組んで単なる手直し…の域を出なければ住宅医の能力を発揮できないと思うわけで、予算確保は大変重要である。折角指名されたのだから、住宅医にお願いして良かったって言ってもらいたい。住み手が要望する「リフォーム内容」に留まらないで、その先の喜びにお連れしたい!お連れする使命がある。
私の住む八王子の冬は23区より3℃低くて、自虐的にツンドラ地帯と言ってるほどである。更に何故だか最近はリタイヤメントした後の住み手(65歳以上)の住宅依頼が続いて、「簡単な操作」で「居心地のいい温熱環境」を整える事に留意してきた。其処で設計に組み込んだのが床下冷暖房のシステムである。

床下冷暖房吹き出し口

この中にヒートポンプエアコン1機とファンが入るユニット

詳しいシステムの説明は割愛するが、原始的な方法で市販のヒートポンプエアコン機を使って、家中をほぼ同じ温度環境にする。家中にぐるりと静かにゆっくり空気を回す。もちろん隅々まで結露も黴もなし。夜中のトイレもヘッチャラ。ツンドラ八王子でも、朝ピョンと布団から出られる。リタイヤメントライフの健康維持に大いに喜ばれているのだ。このシステムを今進めているリフォームの住宅に入れようと目論んでいる。
冒頭の話に戻るが、そのために予算枠をキッチリ確保して、床下補強気密断熱を施し「住宅医第一号」に恥じぬようリフォームに留まらないその先に行こうと鼻息を荒くしているところである。

私の著書


【 関連情報 】田中ナオミさんの書籍
住まいも健康診断すれば長生きできる!住宅医のリフォーム読本
ISBN:978-4-395-32033-2
彰国社HP https://www.shokokusha.co.jp/?p=6987