「木育」が育む感性 〜住宅医リレーコラム2020年3月

NPO法人WOOD AC
スタジオすぅぷ一級建築士事務所
塩田 佳子

『木育』という言葉は、どれくらい浸透しているのでしょうか。
WOOD ACの所在地である美濃市は、ウッドスタート宣言をし、生まれた赤ちゃんに五感をはぐくむ木のおもちゃをプレゼントしています。改修のコラムでなぜ「木育?」と思われそうですが、自分で作り替えたり修理してモノを大切にする気持ちの根底には、木の文化を育んできたことが影響していると思います。今の時代、小物から大きな家に至るまでに、「無垢の木のモノ」に触れる機会が減っています。木育は、遊びながら木に触れ、子供の感性を育み、木の文化を知らないうちに体験する活動です。美濃市内2つの保育園では積極的に「木育」を取り入れていますが、先日、そのうちの1つの保育園に木製ジャングルジム「くむんだー郡上」がやってきましたので紹介します。

スタッフであるプロの大工さん達に教わりながら、番号順に、1本1本柱を建て、柱の穴に貫を差し込み、木の金づちでトントンして楔を打っていきます。子供たちは、裸足でジャングルジムにバランスよく乗り作業を進め、ジムの組み上げに夢中です。汗もかいてます(冬)。組み上がっていく木製ジムは、大人が見ても、迫力が十分あって満足感も半端ないです。子供たちのトントンを指をくわえて見学していましたが、木棒が、柱・貫・楔の技術のみでジムとなる様子は、「木組み」といった、家づくりの原点を見ているようで、大人にとってもかなり、木育です。子供だけでなく、見ている先生方もとっても楽しめたようです。
この「くむんだー」は、モノを作るという楽しさ・面白さを「木育」という言葉抜きで、明快に教えてくれています。ですが実は、木の技術の伝承をはじめ、林業のこと、環境のこと、家の作り方や付き合い方、現代社会の時間間隔など、言葉でうまく表現できないことが悔しいのですが、そういった様々な要素を感じることができるジャングルジムです。
 最後は「こわすんだー」になって元の部材へ。子供に感想を聞くと「楽しかった~、またやりたいな」。またやりたいな、はとても大切な次への原動力。そして、楽しさが一番に来ているってところがすごく良い!! と感じました。
この木のジャングルジムの取り組みは各地で行われているそうです。機会があったら、ぜひ覗いてみて下さい。