住宅医リレーコラム2019年6月

 

タグチホーム株式会社
代表取締役 田口元美
http://www.taguchihome.com/

【 空き家と住宅医 】

近年、空き家の増加が社会問題となっています。
住宅医として空き家問題に取り組んでみてはいかがでしょうか。

現在日本の問題になっている人口減少や、都市圏に集中する過疎化などの原因によって増えています。
全国の空き家率は増加の一途で、平成25年においては空き家数が820万戸、空き家率が13.5%となりました。
平成20年と比べると、空き家数は63万戸の上昇、空き家率は0.4%の上昇です。

このような空き家問題もあって、各自治体においても空き家バンクや空き家改修補助金など活用するための対策を始めています。

この活用の第一のメリットとして、新築住宅を建てるよりもコストを削減することができます。
空き家の改修では、建物の部分的な改修に止まらず、間取りや内装、設備を大幅に変更し、住まい全体の性能を向上させます。
築年数が経過して、老朽化が進んだ建物の耐久性や耐震性の強化、環境と家計に優しい省エネルギー住宅への変換も可能でしょう。

この改修こそ住宅医の目利きが大切です。中には解体せざるを得ない空き家もありますが、どこを直せば空き家に住めるようになるか
または店舗など他の用途に転用はできないか、住宅医の提案力も求められます。

また、第二のメリットとして、親御さんから譲り受けた大切な家を解体したり売却することなく活用できるという点が挙げられます。
マンションのリフォームなら、自分の理想とするインテリアに変えたり、家族に合わせた使い勝手の良い設計に変更することができるというメリットもあります。

リフォームをすることで、空き家が新築住宅のように生まれ変わり、住まいとして活用すれば、長年慣れ親しめる家に住み続けることもできるでしょう。

リフォームをした空き家を自分で済むのではなくて賃貸にして活用することも可能です。
既に自分が満足している住宅に住んでいるときに有効です。空き家を所持していると固定資産税や管理する必要があり結果的にマイナスですが、 賃貸にすることで収益になるのでプラスになるメリットがあります。

また、上でも記載しましたが、全面的にリフォームするとなれば費用もかさみますが、空き家を活用リフォームに関する補助金は地域ごとに 多数存在しています。

これかの各地域の制度も良く理解して提案していくことで、空き家を救っていくのも住宅医の使命だと考えています。

皆様の全国での活躍を期待しています。