投稿日:2015年12月10日

住宅医コラム 意見交換2015-61


妻にとっての定年リフォーム
宝塚Iさんの場合 ~ その12
 1年メンテナンスで訪問

三澤文子(MSD)

 

 

 

先日、御病気と聞いていた、奥村まことさんのお見舞いに行ってきました。その日はお天気も良く暖かい日で御気分が良かったのか、お顔の色つやもよく、色々なお話をして時間を忘れてしまったほどでした。その中で、まことさんが言われた、「設計士は、計画設計契約と建築監理契約だけでなく、保守管理契約をむすぶべき。」という意見が深く頭に残りました。メモもとりつつ今後の活動方針にしよう。などと考えてもいました。そんなことで、「妻にとっての定年リフォーム」の最終回は保守管理の話題から始まります。

 

 

12月1日、I邸の1年メンテナンスです。午前10時に現地待ち合わせですが、コアー建築工房の監督、渡部さんが現れません。電話で確かめると、朝から廻った現場でアクシデント。「本日は申し訳ないですが、行けなくなりました。」とのことです。そんなことで、担当の日野君と共にうかがうことになりました。

 

久しぶりにお会いする Iさんもお変わりなく、ご主人ともどもお元気そうでした。挨拶もそこそこに、早速、気になる個所を廻ります。工務店さんが竣工後1か月後にメンテナンスを行って頂いているので、今回は、それほどの箇所は無いようですが、主に、汚れがとれない部分についての対応ということでした。

 

家の中を廻りながら、夏・冬の生活もお聞きします。

夏は日射遮蔽のためによしずやスクリーンで対応したことをお聞きしましたが、よしずを取り付け、取り外しが、この先億劫になりそうな雰囲気もありました。「簡便に取り付け取り外しができる日射遮蔽」が課題になりました。

冬について、Iさんは「丁度いいです。暖かいです。」との感想ですが、ご主人は「少し寒い。エアコンの近くに居たい。」とのご意見。浴室の洗い場でも、「しばらく洗っていると寒くなる。」とのことでした。「でも・・・」と解決策をご披露くださったのが、浴室の窓の防寒対策。ホームセンターで売っている900円ほどのスポンジマットを2枚、サッシの枠にはめ込む方法です。「ほら、寸法もぴったり!」と自慢のご様子。

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もうひとつのご自慢は床のスギ板(30㎜厚)のようです。「お客様がみんな褒めてくれます。」とのこと。やはり褒められることは、嬉しいことです。

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1年が経ち、落ち着いてきた住まいで、私が褒めたのはマントルピースの空間。飾り棚には Iさんらしいオブジェが飾られています。特に「洗面所につながる小窓」部分がニッチになり、ここにぴったりのオブジェがとても素敵でした。

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「すまいを大切にして、丁寧な暮らしをすること。それが大切。」これも 奥村まことさんとの会話の中での一貫したものでした。

Iさんもこのリフォームを終えて、「大好きな空間と暮らし」を手に入れて頂けたのかな。と感じました。

 

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シンクの前に立って、正面の窓から見る景色。遠くに山並みが見えます。このシーンも、Iさんが強く希望していたものです。

定年後の二人の生活。それぞれがお気に入りの居場所と時間を見つけたように感じました。

 

さて、メンテナンスのミッション終了後は、厚かましくも Iさん手作りのランチをご馳走になりました。本日不在の渡部さんや大工の渡利親子の噂をしつつ、話の多くは、老後の病気や、介護の話など。どうも、早くからの心構えや準備が必要のようです。

 

 

投稿日:2015年12月06日

住宅医スクール2015 東京 第7回のご報告


12月3日(木)、住宅医スクール2015東京・第7回が開催されました。
今回は、契約・行政施策・マンションリフォーム・をテーマに「契約実務の留意点」
「木造住宅関連施策の動向とその対応」「マンションリフォーム」
「住宅改修事例を語る」という4つの講義が行われ、
41名が受講されました。
第1講義「契約実務の留意点」
田中健司氏/㈱田中工務店 代表取締役

田中さん

第1講義は、田中健司氏より、契約実務の留意点について、
木造住宅の瑕疵および依頼者とのトラブルを回避する方法などをお話しいただきました。
クーリングオフや重要事項説明など、契約時に注意が必要な書面の交付や説明内容、
また、田中氏が日々の契約実務の中で必要に応じて変更・追加している契約約款の内容や、
取扱いに慎重さが求められるSNS等ネットでの情報発信の対応方法や注意点などについて、
実例を交えて分かり易く説明していただきました。
第2講義「木造住宅関連施策の動向とその対応」
池田浩和氏/岡庭建設㈱ 専務取締役

池田さん

第2講義は、池田浩和氏より、木造住宅関連施策の最新情報と対応実践事例について
お話しいただきました。
住宅施策の根幹となる住生活基本法の解説や住宅行政に関わる時代背景、既存住宅に関わる
流通やリフォームの関連施策、既存住宅の長期優良住宅認定制度、省エネや耐震関連施策
についてなど、最新の施策について分かり易い説明をいただきました。
国が推進しようとしている内容から今後の木造住宅界が進んでいく方向性までが分かる
貴重な講義となりました。
第3講義「マンションリフォーム」
小谷和也氏/㈱マスタープラン一級建築士事務所 代表取締役

小谷さん

第3講義は、小谷和也氏より、数多く手がけられているマンションリフォームの基礎と実践について
お話しいただきました。
マンションリフォームに必要な基礎知識について、専有共有部の説明や躯体構造、
管理組合への確認内容や書面、竣工図内容など、リフォーム前に必要な段取りについて
分かり易く説明していただきました。
また、リフォーム時の改善要望として上がる断熱性や、マンションリフォームのクレーム事項に
大きく関わる床の遮音性能について、数値や実験結果を示していただきながら
具体的にどのような対策をすればよいのか、詳細に解説していただきました。
また、リフォーム前の採寸や調査について実際に小谷氏が行っているやり方を紹介して
いただき、工事時の注意点や対策法、リフォームの設計ポイントやコストまで、
これまでの多くの実例を踏まえた生きた知識を分かり易く教えていただきました。
第4講義「住宅改修事例を語る」
三澤康彦氏/(有)Ms建築設計事務所 代表

三澤さん

第4講義は、三澤康彦氏より、性能向上で木のある暮らしを楽しむ住まいについて
お話しいただきました。
自ら設計されたご自宅の断熱改修事例、過去に設計された住宅の改修事例について
詳細に解説していただきました。
自邸だからこそ見続けられた建物の経年変化の状態や改修が必要となった理由、その直し方など、
設計者と住まい手の2つの視点で語られる実例には説得力があり、学び多き講義となりました。
以上で第7回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

次回は、2015年度の最終講義となりますが、
既存住宅の改修方法について、実例をみながら構造や温熱環境の実際についての講義が行われます。
また講義の終わりでは住宅医検定会が行われ、住宅医スクール修了生によるリフォーム事例の
発表をしていただきます。
住宅改修設計の実例を多く知ることは、何よりも実務に役立つ貴重な知識となり得ますので、
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(関東事務局 小柳)