住宅医スクール2015東京 第8回のご報告
2016年2月4日(木)、住宅医スクール東京2015・第8回が開催されました。
今回は、既存住宅の改修方法をテーマに「事例に見る基礎の改修方法」
「事例に見る軸組・壁・床・屋根の改修方法」「事例に見る温熱・省エネ改修方法」
という3つの講義が行われました。第4講義では4名の発表者による住宅医検定会が
行われ、全体で59名が受講されました。
第1講義「既存住宅の改修方法① 事例に見る基礎の改修方法」
第2講義「既存住宅の改修方法② 事例に見る軸組・壁・床・屋根の改修方法」
三澤文子氏/MSD主宰
河本和義氏/一級建築士事務所TE-DOK主宰
第1講義は、三澤文子氏と河本和義氏により、
既存住宅の基礎の改修方法について、基礎の改修設計に必要な構造的な知識や、
実際に基礎の補強工事を行った改修事例について、詳細に解説していただきました。
様々なケースで行われた基礎改修について、実際に施工した補強法が適切だったか否か、
さらに良くするにはどうしたらよかったか、基礎補強工事にいくら費用がかかったかなど、
すぐに役立つ知識を得られる実践的な講義となりました。
第2講義も、引き続き三澤氏と河本氏により、既存住宅の構造体である
軸組・壁・床・屋根について、木構造の基礎知識の説明や耐震改修のポイント、
実際に構造体の補強工事を行った改修事例について、詳細に解説していただきました。
各部に見られる不具合箇所の報告や補修の際の注意点、どのように補強したらよいか
判断に迷うような構造体についての解説や対処法など、
数多くの実例について分析していただきながら分かり易くお話しいただきました。
第3講義「既存住宅の改修方法③ 事例に見る温熱・省エネ改修方法」
辻充孝氏/岐阜県立森林文化アカデミー准教授
第3講義は、辻充孝氏より、2020年に住宅でも義務化される省エネ基準の解説、
人の健康と住宅の温熱性能の関係性、住宅の温熱環境に関する各種データ解説、
日射遮蔽・日射取得・気密性の効果など、温熱設計の基礎知識を詳細に解りやすく
解説していただきました。
また、実験的に様々な試みをし観察しながら住まわれている辻氏自邸の改修例など、
改修前後でのQ値の変化や改修ポイントなど詳細に解説していただきました。
また、温熱改修設計時に現況を分析しどのようにしたら節電効果が得られるかなど、
必要な数値の算出と活用の仕方などについても解説していただきました。
第4講義 住宅医検定会
山岡良匡さん/山岡建築研究所
宮崎直也さん/宮崎建築
滝川良子さん/スピカ建築工房
勝見紀子さん/アトリエ ヌック
第4講義では、住宅医検定会が開催されました。
検定会は住宅医スクールを修了された方々が、実務で取組まれた改修事例を発表する場で、
合格すると「住宅医」として認定されます。
今回は修了生4名が発表されましたが、いずれも発表者が住宅医スクールで学んだ知識が
存分に生かされた好例であり、住宅医の意義やニーズを再確認することができました。
発表者の皆様お疲れ様でした。
合否については、他会場で開催される検定結果も合わせて協議されることになります。
◇住宅医修了式
検定会後には修了式が行われ、2015年度住宅医修了生28名に住宅医修了証が授与されました。
以上で第8回の3つの講義と住宅医検定会および2015年度住宅医スクール修了式は終了し、
その後懇親会も開催されました。
今回で2015年度の住宅医スクール東京は全ての講座を終了しました。
2016年度は、6月からのスタートを予定しています。
カリキュラムが確定し次第、改めて告知させて頂きますので、
初めての方もOBの方も、多くの方々にお集まり頂けたら幸いです。
(関東事務局 小柳)