各地の住宅医の日々№3~伊豆天城の森の風景

萩尾 聡子(住宅医 / 青木工務店 / 静岡県三島市)

静岡県の東部、伊豆地域は、温暖な気候と、豊かな自然、温泉、等有名な地域です。その伊豆の真ん中、天城地域のご紹介をしたいと思います。伊豆半島は、今から約100万年程前に南方からフィリピン海プレートに乗ってやってきて、本州に衝突して出来た特異な地域と言われています。その後の火山活動などにより、伊豆の山々が形成され、美しい景観や温泉が沢山あります。

そして、建築の資源に目を向けますと、静岡県では西部地域の天竜材が有名ですが、伊豆地域でも、杉、桧、等の材料の産出が行われています。天城は雨量の多い地域で、水分を好む杉材には適している環境ですが、天城地域の杉には、芯が黒く変色する材も一部見られます。所謂黒芯材と呼ばれます。カリウムの含有率が高い、雨量、水脈、沢のある地形、等具体的な原因は不明なようですが、赤黒い、独特な力強い表情の材料です。実際に、山を案内して頂き、訪れますと、沢の、傾斜のある、環境に位置しておりました。特異な地形から生まれる、力強さを感じました。

天城杉黒芯材の生育場所風景

↑写真左側に沢が流れています

天城杉

黒芯材は一般的な杉の材料とは違い敬遠されることもありますが、店舗の外部や、ベンチ等で使用し、板の表情を気に入ってくださる事が多く、(ジビエのようだと仰る方も)地元の材料ですとご説明しますと、身近にこのような材料があることを知らなかったと仰る方もおります。物流も進化し、様々な材料が遠方や、海を越えて遠くから手に入る時代ですが、改めて、地元の材料を違った観点でもっと認識し広めていくことも大切なのだと思っています。

天城杉ベンチ

その天城山には、静岡県の天然記念物に指定されています、太郎杉という巨木を見るハイキングコースがあります。伊豆にお越しの際はぜひお立ち寄りください!

太郎杉