各地の住宅医の日々№63 岐阜県「木の家を楽しむエトセトラ」地域の山での活動と建築賞

佐藤 美也子住宅医 / スタジオ385 / 岐阜県

私はかれこれ30年間ほど、建築設計の仕事に携わってます。その20年ほどは、木造以外の中大規模な物件に関わる仕事でした。14年前に独立しましたが、仕事は事務所や工場、マンションなどの作図作業や、各種調査などでした。自分で考えて建てた物件はなく、モヤモヤしていました。
名古屋に住み名古屋で仕事をしてきましたが、岐阜県の実家に住まいを移したのを機に「これからは地元の仕事をしよう。木造建築をやろう!」と思いました。
しかし、木造に関わるきっかけがなく、知識も古くどうしようかと思い、2017年に岐阜県立森林文化アカデミーに入学しました。
ある時、友人から「中古住宅を購入したいが、購入して大丈夫か分からない」と、相談がありました。それで、住宅医協会に調査の協力をしていただき、改修もさせてもらいました。
この物件のおかげで住宅医の検定を受けることができました。検定に合格し住宅医になれとても嬉しかったのと同時に、先生方に審査してもらいマズイ指摘がなかったことに安堵しました。

新築住宅は自宅で実践できました。昨年の3月から入居し、住み心地を体感中です。
木造2階建ての自宅兼事務所です。断熱等級6(5地域)、耐震等級3、ぎふ認証材を使用した家です。ZEH+の助成金を利用しました。


南面 
来客用入口  家族用玄関 *Photo by Kurumata Tamotsu

ダイニング兼打合せテーブル
2階 アトリエでたまにイベントも

 

住んでた家(築42年の実家)を改修するか悩みましたが、自宅からすぐ近くの角地に建てました。
吹抜けのあるほぼワンルームの空間でとても快適に暮らせています。
大げさな言い方のようですが、寿命が延びたような気がします。本心です。
断熱性能は数値で確認してますが、実際どんな感じなのかは想像でした。
断熱材は何を使用するか。外壁や内装など家の仕様は何がいいのか。予算はいくらにするか。自宅にお客さんを入れるには。そもそも今から家を建てて大丈夫か。。などなど、自問自答の繰り返しでした。
自宅は実験の場。想像で設計していたものが、自宅で確認できてよかったです。


2026年4月 現在の様子(外壁は杉板張り無塗装。軒がある壁とない壁で色が違います。)

 

「LIXILメンバーズコンテスト2025」にて、新築部門地域最優秀賞を受賞することができました。
施工した田中工務店さんより応募していただけました(感謝)。コンテストで評価されて、建ててよかったんだと安堵しましたし、自分の設計基準ができました。

私のこだわりの 1つが、地域の木を使うことです。家に来られた方に、この家で使用した梁の端材でつくった、木のコモノ(カードホルダーやペン立て)をプレゼントしてます。
自分たちの身近にある木に関心をもって欲しいと思い、山や木に関わるきっかけづくりのイベント「木と家にまつわるエトセトラ」を開催しています。
この取組は、岐阜県立森林文化アカデミー林業専攻と木工専攻の卒業生と一緒に取り組んでいます。建築の私一人では何もできませんが、まさに川上から川下に関わる仲間と取り組み成り立っています。森林文化アカデミーに入った効果が、仕事や人間関係にジワジワきています。


「木と家にまつわるエトセトラ」2026年度版 リーフレット
リーフレット 掲載ページにリンク
https://studio385-net.jimdofree.com/

みんなで植樹

中濃森林組合の作業現場見学

次は、空き家になってしまった、旧自宅の改修に取り掛かろうと思っています。まだまだ自問自答が続きます。

佐藤 美也子
*写真 ©Kurumata Tamotsu , 資料・写真 ©studio385 Miyako Sato, jutakui


記事でご紹介いただきました「木と家にまつわるエトセトラ」参加者募集中です。
会場は岐阜県美濃市・関市です。ご興味のある方は是非お声がけください。
●木の家 山の社会見学(Googleフォーム)| ●木の家の 山時間クラブ(Googleフォーム)

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