投稿日:2016年06月08日

調査事例紹介2016-58 京都市宇治


報告:日野弘一(関西住宅医ネットワーク)

物件概要

■所在地:京都府宇治市
■調査日時:2016年5月10日(火)
■構造規模:木造二階建て
■延床面積:約330平米
■築年数:築83年(昭和8年建築)

京都府の宇治市で既存建物の詳細調査を行いました。
平等院のすぐ近くの街道沿いの酒屋さんの建物の調査です。

 

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(左)建物外観            (右)開始のミーティング
建物は一階の約半分が酒屋となっています。その他は住居として使われています。
延べ床面積が約100坪となる大きな建物です。
調査員は合計14名+地盤調査員2名による調査となりました。
住まい手さんへの挨拶と、調査のミーティングを行ってから調査を始めます。

 

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(左)床下調査の様子          (右)地盤調査の様子
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(下)床下全景
床下調査:延石の上に土台が敷かれています。地盤面は土です。土台が地面の水気を吸い上げ、
水しみができていますが、特に目立った蟻害や腐朽の様子は見受けられませんでした。
地盤調査:建物の外周に加え、建物中心部分の調査もしていただくようにしています。
床下侵入口から機械を入れて作業をしていただきました。

 

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(左)内壁のひび割れ調査の様子     (右)外壁のひび割れ
劣化調査:建物内外部の劣化状況の確認をしています。同じひび割れでも、構造的な要因が
考えらえるもの、経年劣化と思われるものなど、種類は様々です。報告書作成の際に状況の
判断ができるよう、全ての劣化事象を確認していきます。

 

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(左)お昼休みの様子         (右)整理された調査の野帳
お昼休みの様子です。
二間続きの和室をお借りして、お弁当をみんなで食べました。自己紹介をした後、午前の調査の
状況を報告し合い、情報を共有します。また、調査の野帳の整理や午後の作業の方針の調整など
もこの時間に行います。

 

 

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(上)小屋裏の全景
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(左)建築当時の棟札         (右)調査の様子
小屋裏調査:母屋の小屋裏は棟が高く、立派な小屋組みでした。30年程前に一度葺き替えられ
たということですが、現場で雨漏りもなく(この日は雨だったのでよくわかりました)
状態が良さそうです。

 

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(左)仕上材の調査          (右)内部の建具の採寸
仕上調査:建物の構造計算や断熱性能の計算を行うための情報として、壁や屋根、天井や床の
仕上や下地の構成を確認しています。また、建具の種類や大きさも調査しています。

 

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(上)集合写真
この日は雨天であったこともありましたが無事に調査を終えることができました。
今後、報告書をまとめて住まい手さんに報告をさせていただくことになります。

調査に参加していただきました皆様、ありがとうございました。

関西住宅医ネットワーク 日野

投稿日:2016年06月03日

調査事例紹介2016-57 大阪府堺市


報告:北聖志(THNK一級建築士事務所)/久保亜弓(MSD)

物件概要

■所在地:大阪府堺市
■調査日時:2016年4月29日(土)
■構造規模:木造平屋建て
■延床面積:約150平米
■築年数:約築70年

大阪府堺市で詳細調査を行いました。場所は泉北ニュータウンに隣接した集落にあります。改修設計は水本亮建築設計事務所・水本亮氏が行います。水本氏から伝統的工法の民家を改修すると聞き、ぜひ詳細調査をしましょう、ということで今回の調査が実現しました。設計者や住まい手にとっては着工するまでに正確に現状を把握して、改修内容を決定できることがメリットになると思います。現在の住まい手は新築した代から3代目となりますが、当たり前の様に過ごしてきた家に関心を持って来られなかったそうです。調査当日は一日お付き合いいただき、息子さんと小屋裏に上がったりしながら、興味を持っていただけたと思います。(北)

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調査建物は約築70年の立派な建物です。調査員が揃い、住まい手さんに御挨拶をします。
そのあと、調査内容の確認等ミーティングを行いました。
今回は①劣化、②設備、③仕上、④採寸・バリアフリー、⑤床下、⑥二階床・下屋、⑦ヒアリング・矩計の7班、合計13名+地盤調査員2名による調査となりました。

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(左)ヒアリング:住まい手さんから建物の基本情報・メンテナンスの履歴・各性能に関係する住まい心地などを確かめます。
建物を見るだけではわからない情報がわかることもある大切な調査です。
(右)バリアフリー調査:床や階段の段差、また開口部や廊下の幅など、建物のバリアフリー性能を調べます。既存部分と増築部分の間の段差が多く注意が必要です。

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劣化調査(内部):内部の劣化状況も確認をします。写真は建物の柱の傾斜を計測している様子です。

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お昼休みの様子です。
今回はお庭のスペースをお借りして、住まい手さんに用意して頂いたカレーとお弁当をみんなで食べました。自己紹介をした後、調査の進捗具合を報告し合い午後の調査に臨みます。

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床下調査:玉石基礎と延石で増築部は布基礎でした。地盤面は土です。含水率が30%を超える箇所が少しあり、湿度も70%程度でしたが、石灰がしかれているためか土はさらさらしていました。一部蟻害の跡が見受けられました。

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(左)二階床調査:今回は二階床の調査可能範囲が狭くなっていました。可能な範囲で小屋裏の床をはがしたり、一階の天井の隙間などから調査を行っています。
(右)小屋裏調査:小屋裏に上がると床に土がひかれており、歩いて小屋組の部材確認を行うことができました。棟木は一本物の丸太で立派な小屋組みでした。

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最後に依頼者のYさん、調査参加者揃っての集合写真です。

一日お天気も良く、調査員の方のご協力により無事に調査を終了しました。

住まいの診断レポートを北聖志さん(住宅医)とMSD共同で取りまとめ、これからレビューを行い、調査参加者の方から意見を出し合って報告書の精度をあげていきます。レビューでの意見を踏まえて報告書を修正し、近日中に住まい手へ調査結果を報告する予定です。

ご協力頂いた皆様ありがとうございました。レビューにも是非ご参加下さい。

MSD 久保

投稿日:2016年02月09日

事例報告(改修事例)2016-53


フクマチヤ 改修事例報告

・設計監理:Ms建築設計事務所/三澤康彦
・施工:有限会社 羽根建築工房
・設計期間:2015.2~2015.7
・工事期間:2015.7~2016.1
・建築年数:1912年(明治45年ごろ)約103年
・構造・規模:木造2階建て 延床面積:77.91㎡

・概要
大阪市福島区にある長屋の一棟を改修し、SOHOスペースを兼ね備えた事務所として再生しました。

図1 図2
・改修内容
事務所として活用するために内装を一新しています。また同時に断熱性能、耐震性能を改修工事によりそれぞれ高めました。
建物躯体については長屋という条件があるため、共有する柱の内側に新たに柱を設ける方法を採用しました。両隣の建物と縁を切り、将来的に両隣の建物のいずれかがなくなってしまっても独立して建物が成立するよう配慮しています。

 

図3s
<建物調査>
建物の詳細調査を行い、床下、小屋裏の状況を確認しました。また計画に必要になる図面一式を作成しました。

 

図5図4
<劣化状況>
水廻りを中心に、柱は柱脚が白蟻の被害を受けている箇所が多数見受けられました。基礎はなく、柱が敷き土台の上に立ててある状況が主な原因です。また珍しいことに白蟻の被害は二階の床梁にまで及んでいました。二階の床梁は全て交換し、健全なものは柱材として再利用しました。

 

図6図7
<解体工事>
解体工事の前には地元福島天満宮の神主さんによる清祓い式を行いました。
解体作業は主に大工さんの手作業で行われ、屋根の構造体を除いてほとんどを取り払いました。

 

図8図9
<基礎工事>
基礎はベタ基礎を採用しています。既存の柱の内側に基礎の立ち上がりが設けられます。
大きな機械が入ることができないため、ここでも職人さんの手による作業が行われました。

 

図10図11
図15図16
<躯体補強>
既存柱の内側で新たな構造体を造ります。大工さんが現場で実際の寸法を当たりながら手刻みで作業を行います。
構造体の接合は木のほぞや込栓などだけではなく、金物も併用して計算上必要な箇所を補強していきます。
構造材は奈良県の吉野材を使用しています。壁倍率は鳥取県産材のJパネルを採用しています。Jパネルの内側にはパーフェクトバリアを充填して壁の断熱材を確保しています。

 

図17図18
<断熱補強>
断熱材をしっかりと充填して断熱性のを高めています。床は基礎断熱を採用しています。
両隣の住戸が壁を共有していて熱の逃げが少ないこともあり、Q値は1.8近くまで向上しました。

 

図19図20
<竣工写真>
左は打ち合わせ室、右は事務室の写真です。木の温かみのある美しい空間になりました。

図21図13
左は二階の様子。右は外観のファサードと写真です。

今後、住宅改修の情報を発信する拠点として、福島でますます活動を積極的にしていきます。