事例紹介2014-39 福井市花堂
福井市花堂の詳細調査 MSD 佐治あゆみ
調査の概要
■所在地:福井県福井市
■調査日時:2014年7月14日
■構造規模:木造二階建
■建物面積(調査範囲):約100㎡
■築年数:築30年以上、詳細は不明
調査依頼主は住宅医として福井県で活躍されている山田健太郎さん。
今回の物件は旧北陸道北陸道沿いに建つ曹洞宗のお寺の庫裡の一部です。
福井市は昭和20年の大空襲に始まり、昭和24年の大地震(マグニチュード7.1)、その後の水害と度重なる災害にみまわれ、古い建物はほとんど残っていません。
昭和59年と平成09年に改修・増築をしています。
今回、改修工事を計画するにあたり建物の詳細調査を行う運びになりました。住宅医スクール・木造建築病理学の修了生の方、受講生の方、以前からこのお寺の改修に携わっている工務店さん、地盤調査会社さん合せて14名で調査を行いました。
1階の畳をあげて床下へ侵入しています。一部蟻害・腐朽が確認されました。ドライバーを刺して劣化の度合いをはかります。
小屋裏へは収納上部から侵入しています。断熱材50mmが確認されました。
1階天井から覗いて、2階床の構造、劣化等を調査しています。
含水率は10~15%程と比較的乾燥していました。
劣化調査には山田さんの恩師であり、民家の研究をされている福井先生にお越しいただきました。
積雪と屋根の関係や劣化の原因等、地元の歴史・気候風土の詳しい先生だからこそ把握できる調査となりました。
少ない人数でしたが、室内の調査も段取り良く進みました。
調査後は野帳をまとめたり、振り返りシートを記入します。調査の反省点・改善点等を記入し、今後の調査に生かしていきます。
暑い中での調査となりましたが、無事調査を終える事ができました。
これから約一か月かけて報告書を作成していきます。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
また今後の調査もぜひご参加くださいませ。
MSD 佐治