№0071〜愛知県「Y様邸」改修事例報告
改修事例報告
設計者:新和建設:清水誠二
報告:清水誠二
所在地:愛知県稲沢市
主用途:一戸建ての住宅
築年数:築125年
規模:木造平屋建て
建築面積:188.19㎡(56.92坪)延床面積:188.19㎡(56.92坪)
着工:H27年4月
竣工:H27年11月(工事期間8ヶ月)
今回の改修報告はH26年12月に詳細調査を行った築125年の民家です。
左:改修前の外観 右: 改修前の内観
宮大工のご先祖様から、代々時を越えて受け継がれてきた築125年の歴史のある佇まい。
施主様のご結婚、これから始まる新しい家族との暮らしの為の全面リフォームです。
【改修計画】既設の差鴨居、踏天井、建具を最大限利用してお互いのプライバシーを守りつつ
仲良く暮らせるように、現代の二世帯の住まい方に対応する計画とした。
床下全体に耐圧盤コンクリートt=150を打設。防湿対策と傾き修正の為に施工。
屋根工事既存の桁・母屋・棟木・垂木などは残し、それ以外は撤去しました。
土葺き瓦から桟瓦葺きに変えています。垂木の上に構造用合板を張って屋根の水平構面を確保しています。
桁、垂木を取替えした部分の様子
建物東面の下屋は雨漏りが酷く劣化していたので、桁、垂木を取替えしました。
傾き修正の様子
傾き修正の様子北側に床から天井で30㎜傾いていました。
耐圧盤にフックを取付けチェーンとワイヤーで修正して、
傾きが元に戻らないように耐力壁とアンカーボルトで固定します。
耐震補強工事既存建物は開口部も多く、壁も少なく低い耐震性能でした。
既設の和室はなるだけ活かしながら、その他の部分で耐力壁をつくり耐震性を高めました。
既存の天井、建具、柱など再利用しています。
子世帯のリビング
土間であったスペースを吹抜けにし梁をあらわしました。
上部にガラス瓦を設けて採光をとりました。
既存のランマを階段の手すりに利用しました。
リビング
既存の差鴨居、踏天井、建具を再利用して新旧の融合をとりました。
上部にガラス瓦から採光がとれるように配慮しました。
古民家は築年数が古いほど魅力を感じます。
古美を最大限引出すことで、お客様の思い入れを大切にできると考えてます。
既存を活かせば活かすほど、性能を上げることと葛藤します。
詳細調査に取り組くむことで建物を熟知して、より良いご提案ができると思っております。