各地の住宅医の日々№49 私の大切な活動と60歳からの暮らし Lifestyle
田中 ナオミ( 田中ナオミアトリエ / 住宅医 / 東京都 )
何を隠そう(隠さない)私は住宅医の 第一号なのです。そういう意味で、その名に恥じぬように華々しく活躍する姿をお伝えせねばならないのですが、今回の報告は住宅医の活動は多岐にわたるという話にしようと思います。
全国に散らばる住宅医は2024年時点で130名のようです。そんな住宅医の中でも Lifestyleの本を出したのは私だけじゃないでしょうか? 私は50歳後半からやたらと雑誌やWeb媒体の取材が増えました。つまり60歳は世間では定年退職なので(我々個人の設計者は全く関係ないのですが)それを機に新しい人生設計を考える人が続々居るんですね。昨今の紙媒体の需要の低下の中、45歳以上くらいが紙媒体購買層のようです。それに乗じて色んな本やWEBコンテンツが企てられているわけです。書店に行くと面白いように「60歳からの」「70歳からの」「80歳からの」…なんなら「88歳からの」と刻んだくらいにして各年代の色んな各方面で活動(あえて活躍と言わない)している女性の Lifestyle本が並んでいるのをご存じでしょうか?
というわけで私がちょうど60歳ということもあり、住宅設計者はきっと掘りやすい要素がいっぱいあるんでしょう「60歳からの」というようなカテゴリーで続々取材を受けております。
2024年12月には「60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方」という本が出ました。こんなにインスタグラムのフォロワー数が少ない私の本を誰が買ってくれるのかと思いましたが、稀少な編集者たちが私の Lifestyleを面白がってくれて主婦と生活社から一冊丸ごと私の Lifestyle本という形で出版されました。(もちろん水着カットはありません)
今までも彰国社「住宅医のリフォーム読本」 エクスナレッジ「片づく家のアイデア図鑑」「頑張りすぎない家事の時短図鑑」と3冊 自著がありますが、全部図面やイラストを私が創った住宅の本でした。
わたしの生業は住宅設計者ですから、今回のような本を出したり雑誌やWEBの取材を受ける意味は何か? それは啓蒙活動です。はい。やっと住宅医の活動の話に繋がってまいりました。
そうです。全国に130名居る優秀な住宅医も、一体 住宅医というのは何をやっているのか世の中の人が周知しないと勿体ない! それどころか4月からの法改正で既存不適格建築物に対するリノベーションのハードルは非常に高くなって、住宅医の資格を持つ個人設計者が丁寧に真面目に対処しているという情報が、本当に必要な場所に届いていないと不安に感じています。ですから日々の設計活動をコツコツとしながら、メディアに露出する契機があれば住宅医の存在を広める活動も並走させています。
住宅医スクールの優秀な講師でもある山辺構造設計の鈴木竜子氏に見てもらって、現在ある住宅のリノベーションを進めておりその話も山盛りしたいのですが、今回はこのあたりで。
田中 ナオミ
©Tanaka Naomi , jutakui
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instagram www.instagram.com/naomitanaka_ntlab/
田中ナオミさんの書籍
・60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方 (主婦と生活社)
・住宅医のリフォーム読本 (彰国社)
・片づく家のアイデア図鑑 (エクスナレッジ)
・頑張りすぎない家事の時短図鑑 (エクスナレッジ)
⇩関連記事 田中ナオミさんの「前回のエッセイ」「住宅医の改修事例」も是非ご覧ください!