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住宅医の改修事例報告 88例目

T邸 木造平屋築23年改修工事

報告者:有限会社こころ木造建築研究所  山崎健治/住宅医

改修概要
設計者: 有限会社こころ木造建築研究所  山崎健治
主用途: 一戸建ての住宅
築年数: 改修当時築23年(平成7年新築)
規 模: 木造平屋建て / 在来軸組工法]
延床面積:61.27㎡
改修面積:49.26㎡
工 期: 2017年5月~2017年10月~2018年1月

事務局木の空間たより vol.62 ~事務局長が変わります~

住宅医協会の事務局の運営は、これまで理事でキノマチ不動産の藤村が承っておりました。この度諸般の事情で事務局の運営を変更することにいたしました。

この場をお借りして6年間ありがとうございました。中々運営上うまくできない部分もありましたが、皆様と過ごせた期間は大変楽しく勉強になりました。

後任は、理事会で調整して後日運営体制等発表があると思います。

引続き住宅医協会の活動及び活動のご支援のほどどうぞよろしくお願い申します。

藤村直樹

住宅医リレーコラム2019年5月

株式会社 キノマチ不動産
 藤村直樹

土砂災害から不動産を守るためには

最近は交通事故で痛ましい事故が続いて報道されています。同じくらいの子供を持つ身としては、身につまされる思いで胸が苦しくなります。

冬が過ぎ、これから梅雨を迎え夏本番に近づきます。今度は災害、大雨による土砂災害の時期になってきました。昨年7月の7月豪雨災害、平成29年の九州北部豪雨、広島の頻繁な土砂災害等、毎年のように災害が発生し多くの方が亡くなっています。

日本という国土である以上「土砂崩れ」は避けられないのですが、「災害」はある程度避けることができます。

私のブログの中で、「不動産購入時に気になること」というコラムで連載したところ、土砂災害から守るコラムが検索でよく見に来られていました。今回、その内容を一部改変してご紹介します。なお、主観的部分でのコラムであることをご了承下さい。


土砂災害は次の3つに分類されます。

1.急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)

2.土石流

3.地すべり

この中で3の「地すべり」は事前に兆候が現れ比較的緩やかに進行することから、生命への危険度は小さいと言われております。

(※ただし、1985年の長野市の地附山災害のような急な地すべり現象で死者26名のような事例もあるので、必ずしも緩やかとは言えません)

急傾斜地の崩壊は、「がけ」が「崩れる」という現象ですから、一般の方でもイメージしやすいと思います。

都道府県が定める「急傾斜地崩壊危険地域」では斜面30度以上、高さ5m以上の人家や、公共施設に被害を及ぼすおそれのある急傾斜地およびその近接地を定めることになっていますが、急な斜面の下や直上はなんとなく危険な感覚は伝わるかなと思います。なんとなくがけの上付近はよくない、がけの下からがけの高さくらい離れないとまずい、という感覚で大体あっています。

一方土石流は、その昔「鉄砲水」という名前がつけられていましたが、一般的なイメージでは、渓流が急に増水して石や流木ごと氾濫する、というイメージになっているかもしれません。

ところが実際は川沿いではなくても土石流が起こりやすい地形は存在して、昨年の広島の事例のように、あっという間に強烈な運動量で家ごと流されます。

土石流の起こりやすい土地は素人の感覚ではわかりません。

よって、素人としては行政が危険箇所を指定した場所、情報を必ず目を通しておき、理解しておく必要があります。


土砂災害が起こる可能性のあるエリアとして、「土砂災害危険箇所」が定められています。

急傾斜地崩壊危険区域

・土石流危険区域

・地すべり危険区域

また土砂災害防止法に基づいて、

・土砂災害警戒区域

土砂災害特別警戒区域

が定められ、また今後定められようとしております。この土砂災害警戒区域に定められているかどうかは、宅建業法の重要事項説明の説明義務になりますので、これから土地建物を買う方は必ず知ることにはなっています。

又その他にも、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域という工事を行う予定の地域、山地災害危険区域という森林を定めた区域も存在しています。

個人的にはとてもわかりにくい(指定の目的が違うのはわかりますが)ので、全て土砂災害警戒区域、特別警戒区域にまとめて欲しいと思いますが、現在はわかりにくいので土砂災害の危険区域だけを注目する必要はありません。

危険な情報は全て一つの地図情報である市町村のハザードマップを確認すれば基本的に全て載っていますので、ハザードマップを手に入れましょう。国交省のサイトからも見ることができます。

国土交通省ハザードマップポータルサイト  https://disaportal.gsi.go.jp/

↑もちろん的中率は100%ではありませんし、区域に指定されていないところでも災害が発生していたりもしますが、新規に誰も住んでいないところに土地購入を考えている場合以外はこの情報を元に対策を考えるのがベースです。


私は以前の会社で土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の区域を定める業務についていたことがあります。この区域の指定はマニュアルに従って機械的に定めます。(3次元の地図を使って)

特別警戒区域内は、レッドゾーンと言われますが、簡単に言うと「家が流されます。押しつぶされます。」

警戒区域内は、イエローゾーンと言われますが、簡単に言うと「家の中に土砂が入ってきます。」

と捉え方で言い過ぎではないでしょう。つまり不動産視点ではどちらにせよ建物は駄目になる可能性が高い、土地も形状が変化する可能性が高いのです。

人命視点では土砂災害警戒情報に基づき避難を行うことが命を守る行動につながります。


では不動産購入時の視点として、土砂災害警戒区域と特別警戒区域はどう判断するべきか。

特別警戒区域は法律で土砂を防ぐ対策を取らなければ開発できないと定めれられています。

警戒区域は特に定められていませんので判断は個人の判断になります。先程も述べましたが警戒区域に定められているかどうかは宅建業法の重要事項の説明事項です(ただし、諸々の事情でまだ定められていない地域はあるので行政に確認下さい)

基本的に土砂災害危険箇所は全て避けるべきです。

ただ、狭い日本の国土上、その場所を選ばざるを得ない場所もあるかと思います。というか結構な地域がそうでしょう。避けるだけでは非現実的な提案です。

それでもまず次は避けましょう。

・特別警戒区域に近い警戒区域内

土石流の氾濫地域に近い警戒区域内で家の全てが収まっている

ようは安全率を取りましょう、ということになります。

そして建築士と相談して、床上を上げるとか、上流側に対策工を打つとか、窓の位置を考慮するとか、2階を就寝場所とするようにするとか、ちょっとした対策が違いをわけることになります。不動産の被害も人命の被害もリスクを少なくできます。ここの視点を持っての家づくりはほとんどされないので、是非建築士に防災観点の家づくりを求めましょう。


日本にいる以上、地震、台風、土砂災害は避けられないのですが、過去まだ同時発生(近い発生)は無いと思います。

大規模地震のあと、大雨→土砂災害。

大雨が降り続いているその時に大規模地震。

このコンボは普通にありえます。その時どちらか片方だけなら崩れない、水が来ない場所でも、コンボにより尋常な被害が出ることは十分想定されます。

そこまでのリスクを想定しておくことが、不動産と財産、人命の保護につながると思います。

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