これは[archive.php]

住宅医スクール2014 東京 第6回のご報告

11月6日(木)、住宅医スクール2014東京・第6回が開催されました。
今回は、防火・設備・高齢者対応をテーマに「防火性能の改善と対策」「設備の劣化診断と対策」
「住宅改修における高齢者対応」「高齢者対応の実践と実例」という4つの講義が行われ、
32名が受講されました。

 

第1講義「防火性能の改善と対策」
安井昇氏/桜設計集団一級建築士事務所代表

安井さん

第1講義は、桜設計集団一級建築士事務所代表の安井昇氏より、防火設計の基礎と火災時の安全性について、
火災事例と原因、防火性能のもつ意義や防火対策のポイントなどをお話いただきました。
普段体験することの少ない火災が、実際に起こるとどのような状況になるのか、
火が室内に燃え広がり黒煙が噴出していく様などを動画で見ながらの説明はとても説得力があり、
建築物の耐火時間と避難時間との関係など、
感覚的に理解を深められ身が引き締まるような講義となりました。

 

第2講義「設備の劣化診断と対策」

清水基之氏/㈱清水代表取締役

古川泰司氏/アトリエフルカワ一級建築士事務所代表

清水さん古川さん

第2講義は、設備工事を実際に施工する専門職の清水基之氏と一級建築士の古川泰司氏により、
設計者が現場にて遭遇した設備に関する疑問点や判断に迷った点等を
専門職に回答していただくというQ&A方式でお話いただきました。
配管の見分け方から改修時のポイント、ガス配管や太陽熱給湯の知識など、
住宅設備工事に関係する様々な事例の疑問点について
普段なかなか見聞きする機会のすくない現場の生の声を聞かせていただきました。

 

第3講義「住宅改修における高齢者対応」
第4講義「高齢者対応の実践と実例」
溝口千恵子氏/㈱高齢者住環境研究所代表取締役

溝口さん

第3・第4講義は、㈱高齢者住環境研究所代表取締役の溝口千恵子氏により、
高齢化社会と住宅改修のニーズ、バリアフリー改修の実践実例についてお話いただきました。
前半は、高齢者や高齢社会の現状やバリアフリーの意義、介護保険制度の仕組み等について、
分かり易く解説していただきました。
後半は、6000件以上もの要介護高齢者の住宅改修を行ってきた溝口氏が
これまでの経験から得てきたバリアフリー設計に対する知見について、
実例紹介と共にお話いただきました。
講義では設計内容のみならず、高齢者対応の改修を仕事とする場合のポイントについて
どこでどのような情報を得て何をすることで仕事を得られるのかなど、
営業に関する具体的な知見まで詳しくお話いただきました。

 

以上で第6回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

次回は、年内最後の講義となりますが、
契約実務や最新の住宅関連施策の動向と対応、マンションリフォームについて講義が行われます。
いずれも住宅改修設計を行う際に役立つ貴重な知識を得る場となりますので、
皆様のご参加をお待ちしております。
(関東事務局 小柳)

住宅医コラム 意見交換2014-47

「家を見守る」ということ~病理学の学びで自信を持った説明ができるように。
三澤文子(MSD)

 

秋も深まり、冬の到来が間近というのに、シロアリのメンテナンスです。阪神ターマイトラボの水谷さん(住宅医スクールの講師でおなじみ)も、調査の日程調整がなかなかできないほどの忙しさ。

 

さて、この日メンテナンスにうかがったのは、私の設計した住宅で、築年15年になります。
調査開始から、さっと内視鏡を取り出す水谷さん。クールな調査道具に、その使い方を観察します。

1

こちらの住宅は、7年ほど前に一度シロアリの駆除を行っています。その際、その後のメンテナンスをしやすくするためにもと、デッキと、建物本体にスリットを設けていたのが、功を奏しました。

2

デッキの下に潜らずに、その隙間から内視鏡を入れて、土台と基礎の際を見ていくことができます。目視の姿勢も腰をかがめるだけなので、かなり楽なのだと感じました。

 

今回は、住まい手さんが、室内、室外で、木部の被害を見つけ連絡があったのですが、比較的、早かったことで、被害の範囲は限られ、水谷さんからも、「大丈夫。しっかり駆除できます。」と言って頂けました。
得てして、住まい手さんも、私たち設計者も、「シロアリ」と聞くと、ゾッとするものですが、木造建築病理学で、シロアリについての学びを重ねていくうちに、シロアリがそんなに恐ろしい虫ではないことが解ってきました。

 

シロアリの存在があってこそ、生態系の循環があること、家の中に入ってしまうと害虫になるものの、庭で生活していて、腐った木を食べているのなら、それを駆除する必要もなく、そのまま見守っていたほうが、家に入ることを守ることにもなる。との水谷さんの説明。それをしっかり理解するには、シロアリについて、よくよく勉強し彼らの行動を解ることが必要でした。 シロアリについての勉強で、たじろがずに、住まい手さんに説明できるようになりましたが、やはり水谷さんの「大丈夫!」の言葉が心からの安心感を導いてくれます。

 

今回、以下の2か所から、シロアリが内部に侵入していました。

3
(1)デッキ下の部分

4 5

(2)エアコンの冷媒管を地面に這わせていた部分。(造園のためにそれを石で隠していた)

 

(1)(2)とも、まさしくシロアリ侵入を呼ぶ、設計です。
デッキもあると便利。庭園にある冷媒管は隠したい。いずれも設計上やむおえないことなのだけれど、それらをかなえつつ、シロアリメンテがしやすい方法など、工夫の余地はあるはずです。
今回、デッキと建物本体とのスリットがあったことで、蟻道の位置や範囲がすばやく特定できたことを実感したので、今後の新築の設計では、そのディティールでいこう!と強く思った次第です。

 

事例紹介2014-41 兵庫県姫路市

飾磨の家(しかまのいえ)詳細調査  関西事務局 新井良子

 

調査の概要

■ 所在地:兵庫県姫路市

■調査日時:2014年10月3日

■構造規模:木造二階建

■用途・調査範囲:住宅 離れ部分 約90㎡

■築年数:約60年

 

調査依頼者は、住宅医スクール修了生の、ついのすみか建築設計室(神戸市) 横田淳さん。
住宅医スクール・木造建築病理学の修了生の方、受講生の方、地盤調査会社さん、今回は特別に中島正夫先生(住宅医協会代表理事・関東学院大学教授)に参加していただき総勢20名で8班に分かれ調査を行いました。

IMG_1

調査のタイムスケジュール、調査班ごとの役割分担等打合せの後、作業開始です。

 

■1階床下調査の様子■

IMG_3

1階の畳をあげて床下へ侵入出来ました。 床下調査班からは湿気が多くカビ臭があるとの事でした。 土台・束・大引・根太・床下地板など含水率計で測定し念入りに調査が進みました。布基礎は無筋でしたが大きなクラックはありませんでした。 蟻道なども見あたりませんでした。

 

■小屋裏調査の様子■

IMG_0227

小屋裏へ侵入出来ました。大屋根、下屋根に雨シミ跡がありました。構造、劣化、断熱性能などを念入りに調査しました。普段見ることが出来ない部分の構造が確認出来るのも調査の醍醐味です。興味がある調査員の方はハシゴを登って内部を確認する事も出来ました。調査では様々な事が学べます。

 

■2階床梁調査の様子■

IMG_6

2階の畳と床板を外し、2階床梁調査をしました。侵入出来ない未調査の部分もありますが、このような調査をすることで事前の建築計画に役立ちます。

 

■地盤調査の様子■

IMG_7

地盤調査はスウェーデン式サウンディング試験を、敷地内外含め5か所で測定しました。建物外周部の他に、1階床下にも測定器が搬入され、調査が出来ました。

 

■昼食の様子■

IMG_8

食事休憩では、今回の調査で始めてお会いする方もおられ、自己紹介などが行われました。遠方からお越し下さった方も多く、楽しい交流の場となりました。昼食後は、午前中の調査報告や午後からの予定などが話され、全体の調査進行具合が把握出来ます。

 

■調査の様子■

中島先生と建物の劣化箇所を見てまわりました。

IMG_9

設備の調査も順調に進みました。

IMG_10

 

■調査終了■

調査後は野帳をまとめたり、振り返りシートを記入します。振り返りシートとは、調査参加者に、調査の反省点・改善点等を記入していただき、今後の調査に生かしていくものです。

IMG_11

事故・怪我がもなく、順調に調査が完了しました。一人ではとてもできない調査を、住宅医を活用することで、効率よく正確に調査することができました。ご協力頂いた皆様にお礼申し上げます。今後の調査もぜひご参加頂ければと思います。

関西事務局 新井

  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月