住宅医スクール2015 浜松 第4回のご報告

去る9月17日(木)、住宅医スクール2015浜松・第4回が開催されました。
今回は
「木材の劣化と対策②」
「防蟻対策の実務」
「構造的不具合の原因と対策③」
「伝統木造の耐震設計事例を語る」
の4講義が行われ、40名近くの方々が受講されました。
三澤先生のインフォメーション・イントロの後、講義が開始されました。
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第1講義「木材の劣化と対策②」
矢田 茂樹 氏/横浜国立大学名誉教授
 
第1講義は、矢田 茂樹氏により、木材の劣化要因や劣化診断法についてお話をして頂きました。
釘やビス等、普段の施工で使用する金物との相性によっても木材の劣化進度が違う事、
見過ごしがちな木造建築の劣化防止の留意点などを、分かりやすく解説していただきました。
木材劣化の実物サンプルを実際に見る事で、木材の特性を視覚で理解し、適材適所に使用する
大切さを学べた講義でした。
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第2講義「防蟻対策の実務」~シロアリ駆除と予防法の実例
水谷 隆明 氏/阪神ターマイトラボ代表
 
第2講義は、水谷 隆明氏により、防蟻対策として、薬剤の効果的な使用方法や現場での
施工など実務に基づいたお話しをいただきました。
シロアリの種類と特性をしっかりと把握する事の大切さを実感しました。アリの種類や
被害状況で、どのような調査と対策をとるべきなのか? など被害写真を例に挙げながら
分かりやすく説明をしていただきました。
予防や薬剤処理の方法など、実務で培った経験と知識をお話いただき、シロアリ駆除に対して
より深く理解する事ができました。
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第3講義「構造的不具合の原因と対策③」~限界耐力計算のやさしい解説
桝田 洋子氏/(有)桃李舎代表
第4講義「伝統木造の耐震設計事例を語る」~豊崎長屋の耐震設計手法
桝田 洋子氏/(有)桃李舎代表
 
第3講義、第4講義は、桝田 洋子氏より、限界耐力計算の観点から、
構造的不具合の原因と対策についてと、伝統木造の耐震設計事例について、お話を頂きました。
土壁や貫を主要な耐震要素とする伝統工法と、合板・筋交い・金物を使用する在来軸組工法の
構造特性の違いに触れながら、伝統工法の木造建築物の耐震性能、改修事例について
分かりやすくお話をしていただきました。
伝統工法の改修方法を数値を用いて明確にしていく計算工程と、実験動画を見ながら社寺の耐震性能を、
建物の揺れ方のメカニズムを中心に丁寧に解説していただき、今後の伝統工法の木造建築物の改修には
必要不可欠な設計方法だと思いました。
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以上で、第3回の4つの講義は終了し、その後、講師の方々も交えて懇親会も開催されました。
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懇親会では、講師も参加され、講義以外のお話も聞くことができ、終始有意義な時間を
過ごすことが出来ました。
(浜松受講生・永田)