住宅医スクール2014 東京 第1回のご報告

6月5日(木)、2014年度の住宅医スクール東京が開校しました。初回となる第1回目は、まずスクールの説明が行われ、

その後「木造建築病理学の必要性」、「建物調査と報告書の作成」、「木造建築病理学の実践」という3つの概要講義、および今年から一般社団法人住宅医協会となった設立記念として「建築-新しい仕事のかたち」の講演が行われました。

今年度は新たに30名の受講生が集まり、昨年度からの継続受講生や修了生も合わせて、33名が参加し、記念講演は講師陣を含め58名が参加しました。
第1講義 「木造建築病理学の必要性」
三澤文子氏/京都造形芸術大学教授・MSD主宰
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第1講義は、住宅医協会理事の三澤氏より、木造建築病理学の背景と取組として、既存住宅を取り巻く現状から岐阜県立森林文化アカデミーの木造建築病理学講座、

住宅医ネットワークで継続して採択された長期優良住宅先導事業(既存ドックシステム)の概要や実際に取組んだ改修事例の詳細、改修工事の留意点や費用、

これからの住宅医の可能性などについて、講義が行われました。


第2講義 「建物調査と報告書の作成」
滝口泰弘氏/滝口建築スタジオ代表

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第2講義は、住宅医協会理事(スクール東京担当)の滝口氏より、既存ドックシステムによる建物調査と報告書(住まいの診断レポート)の概要として、

住宅に関する既往の調査診断との比較から、既存ドックシステムで採用している診断項目やレベルの設定、建物調査のポイント、

受講生や住宅医スクールOB生参加による実際の調査診断の流れ、費用等について、講義が行われました。


第3講義 「木造建築病理学の実践」
豊田保之氏/トヨダヤスシ建築設計事務所代表

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第3講義は、住宅医協会理事(スクール大阪担当)の豊田氏より、既存ドックシステムを用いて取組んだ実際の改修事例について、

調査診断から改修設計、工事監理という実務の一通りの流れや、各種性能をどのように向上させたかという詳細な手法、

既存住宅の改修工事でポイントとなる各種留意点や使える建材、納まり、また改修後の実測調査などについて、講義が行われました。
第4講義 「建築-新しい仕事のかたち」
松村秀一氏/東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授

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第4講義は、東京大学の松村教授より、一般社団法人住宅医協会の設立記念講演としてお話しして頂きました。

「箱の産業から場の産業へ」をテーマに、限界を迎えている新築住宅生産から脱却するための新しい仕事のかたちとして、

利用する場から発想し芸術家により再生された場所や建物、事業計画やオーナーへの提案にも取組むリノベスクール、

劣化診断のデータベース化や既存建物市場で活躍しているその他の取組が紹介されました。

以上で講義は終了し、その後、住宅医協会設立記念パーティが開催されました。

住宅医協会理事をはじめ、住宅医スクール講師、住宅医、修了生、受講生など、多くの方にお集まり頂き、盛況に設立を周知することができました。

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これから約1年間の長丁場のスクールとなりますが、実際の建物調査の実施なども含め、今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
また、単発の受講も可能ですので、ご希望の際はお気軽に事務局までご連絡下さい。
(関東事務局 森本)