住宅医スクール2014 浜松 第3回のご報告
9月11日(木)、住宅医スクール2014浜松、第3回が開催されました。
今回は、劣化・維持管理をテーマに「木材の劣化と対策-1」「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-1,-2」「住宅改修事例を語る-3」という4つの講義が行われ、31名が受講されました。
第1講義 「木材の劣化と対策-1」 ~木材の劣化と診断
簗瀬佳之氏/京都大学大学院農学研究科助教
第1講義では、生物の劣化の基礎として、シロアリや乾材害虫の生物特性や、腐朽菌による木材の生物劣化について解説していただきました。特に、腐朽後の木材の細胞壁構造の比較が、専門的でありながらも解りやすく、とても貴重な講義でした。
第2講義 「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-1」 ~木造建築物の劣化、診断、補修の基礎
中島正夫氏/関東学院大学 建築・環境学部教授
第2講義では、腐朽・蟻害対策として、実務だけではなかなか知り得ない各種薬剤処理をした材料の構造性能との関係性や、接合金物の耐久性など実験データによる比較に受講生からは驚きの声が上がっていました。 また、集成材の建築物の耐久性実態調査もたいへん興味深いものでした。
第3講義 「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-2」 ~木造住宅劣化事例 Q&A
中島正夫氏/関東学院大学 建築・環境学部教授
小野雅之氏/小野育代建築設計事務所
第3講義では、剥離した集成材の補修方法や、劣化した木造住宅の改修事例など、維持管理方法について学びました。 後半のQ&Aでは、実際の調査、改修事例を基にした質問ということもあって、興味深く聞き入ってしまいました。
第4講義 「住宅改修事例を語る-3」 ~地域で改修設計・施工を支える技術集団
滝口泰弘氏/NPO法人 WOOD AC 理事
第4講義では、住宅改修事例について多くのスライドとともに解説を頂きました。 「山とつながる」美濃の地域の特性を生かしながらの改修事例、地域や近隣への配慮など、浜松にも置き換えて考えられるような、失敗談を交えての実例紹介の講義でした。
第3回 懇親会 ~バールマブチにて
第3回を迎え、受講者同士もすっかり打ち解け、和やかなムードの中、講義では聞けなかった質問も飛び交っていました。
(浜松受講生 石牧)