住宅医コラム 意見交換2015-53

妻にとっての定年リフォーム
宝塚Iさんの場合 ~ その4
 詳細調査の日
三澤文子(MSD)
 
2013年10月23日。小雨の朝、総勢16名の調査員が I邸前に集合しました。まず、依頼者へのご挨拶。この「ご挨拶」では、①総勢何人で調査を行うかということ、②1日のスケジュール、をお伝えします。スケジュールの中では、用意した昼食を屋内でとらせて頂くことや、終了時間、「遅くとも4時までには終了します。」とお伝えすると、依頼者も全体が把握しやすく、ご自分の予定がたてやすいと思われます。
 
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ご挨拶を済ませた後は、調査担当の読み上げをします。今回調査は8チーム。基本1チーム2人で、経験者のリーダーがペアーである初めて参加者を教えることになります。実は、3回調査に参加すると、リーダーに昇格。リーダーは「教える」というミッションも加わります。そもそも「教える」ということは、教える側こそ勉強になるものです。うわべの勉強では「教える」ことはなかなかできないもの。体験に沿った学びを基に、人に教えることで、教える本人が身に着く。そんなことから、「教え合う」調査スタイルも住宅医教育の特徴と言っていいかもしれません。
 
さて、8チームは以下の通りです。
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チーム① 午前:平面図採寸 午後:配置図採寸。
応接のファイヤープレイス。採寸は、今回調査担当者のMSD日野君と、まちの建築設計室の町野さんです。

 
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チーム② 午前:内部外部劣化調査 午後:展開図採寸。
神戸大学の学生さんの参加。しましま設計室の西久保さんが教えます。

 
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チーム③ 午前:建物傾斜 午後:バリアフリー調査
ベテラン創造工舎の篠田さん(写真中央)は、初参加の神戸大学学生さんを教えます。

 
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チーム④ 午前:内部外部設備調査 午後:矩計図採寸
リーダーMSD佐治さん、実務経験豊富なひとがしゅの坂根さん(写真下)の強力コンビ。外部の設備を調査中です。

 
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チーム⑤ 終日:床下
床下に入る前の、トヨダヤスシ建築設計事務所の横山さん。まだ元気です。

 
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チーム⑥ 終日:小屋裏
小屋裏の迫力ある写真、真剣な乾さんです。リーダーは田尻さんでした。

 
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チーム⑦ 午前:ヒアリング、仕上げ調査 午後:仕上げ調査
Iさんからヒアリング。仕上げ調査のペアーは、みかづき建築の大久保さんでした。

 
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チーム⑧ 午前:地盤調査
SWS試験はトラバースさんに依頼。室内も調査しました。

 
私は、事前調査で行ったヒアリングの精度を上げるため、再度 Iさんにヒアリング。その後は温熱性能を診断するために、外皮(壁・床・屋根・開口部)の構成を調べ始めましたが、時計を見ると11時15分。 Iさんにお弁当調達のスーパーを教えて頂き、近くなので徒歩で向かいました。いつも、このように近くのスーパーでの調達ですが、このスーパーのお弁当価格で、地域の物価の差を感じます。最近行った加古川のスーパー、ラ・ムーは驚きの低価格でしたが、 I邸近くはイカリスーパーで、いつもより高め。ただし、ちょっと品が良かったかもしれません。おやつもオシャレなお菓子が調達できました。
 
お弁当タイムの後は、昼休みミーティング。各チームの調査速報と進捗状況の報告です。地盤調査は、午前で終了しているので、速報を聞き、参加調査員に伝えます。床下の状況や、小屋裏の状況など、ここでの速報は、全体イメージがつかめて、とても重要な時間だと思います。
 
13:00、調査再開です。遅れ気味の調査個所には、ミーティングで補強要員が加わり、午後の、およそ2時間半の調査で、すべてが終了できるようになります。
 
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15:30、野帳を取りまとめたり、パソコンに写真データをそれぞれ、入れ込んだりと、本日の調査も、いよいよ、まとめの時間です。
 
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終了のご挨拶。中央、私の向って左手は、床下担当だった落合さん。お疲れ様でした
 
16:00 調査道具を片づけて、現況復帰。依頼者の Iさんに終了のご挨拶をして、撤退。この調査結果を整理し、分析し、診断する。という作業に1か月半ほど頂くことを Iさんにお約束し、I邸を後にしました。
一つの建物の状況を把握するために集中して身体を動かした今日一日。爽やかな気分で帰路についたのでした。
 

(つづく)