投稿日:2017年06月20日

住宅医スクール2017 第1回の報告(東京&大阪)


住宅医スクールが先日東京6月8日、大阪6月17日に開講しました。

どちらも盛況に40名以上の参加者にお越しいただき快調なスタートを切りました!

 

今回東京、大阪共に

第1講義 木造建築病理学の必要性 三澤文子氏

第2講義 建物調査と報告書の作成 滝口泰弘氏

第3講義 木造建築病理学の実践 豊田保之氏

第4講義 東京 住宅改修事例を語る-① 安藤邦廣氏

大阪 住宅改修事例を語る-① 竹原義二氏

 

↑大阪スクールの様子 

左 盛況でした 右 竹原先生の講義 

☆受講者のアンケートから☆

■第1講義

・とても良い講義でした
・久しぶりに三澤先生の第一講義を拝聴しました。住宅医の仕組みができるまでのお話も新鮮な気持ちで聴きましたし、
最新の事例や調査や構造見学会、竣工見学会にも参加させて頂いたのもあり、三澤先生のまとめを聴けて良かったです。
今後、客先へのアプローチや最後の報告などは取り入れてみたいと思います
・三澤先生の講義は建築士会の環境セミナーで一度概ね聴いた話でしたが、何度でも聴きたい、また、全ての建築従事者に聴いてほしいワクワクする様な話でした
・三澤先生の病理学という概念をとりこまれた経緯が興味深かったです
・三澤さんのお話を伺い、この講座への意欲が高まりました。1年間よろしくお願い致します
・治す力を養いたい。その上で新築に生かしたい

■第2講義
・時間が短く思うくらい良かった
・OB向けに変更点などがわかる講義をご案内頂くことはできないでしょうか。毎年、滝口先生の講義はホットな話題も多いので聞いたほうが良いように感じました。住宅医詳細調査のスクール生参加について、初めて参加した時はペアになった方も同じく初参加の受講生で、受講生は必ずベテランとペアになるようなルールがあればよいと思う。経験値を積むことができるのが住宅医スクールの良いところなので、スクール生の参加がなくなるのはもったいないと思う
・滝口先生の講義は、自ら行うことを想像すると恐れをなすことばかりで(営業・運用面も含め)、詳細調査の実施事例が今後あればぜひとも何度でも参加させていただきたいと思いました
・調査の密度の濃さに驚きました。自分にもできるようになるか、期待と不安です。診断の実習はぜひやってみたい
・第2講義で、調査をしていてどの辺に被害が出やすいか等をもっと聞きたかったです(
・ぜひ調査の研修を東京でもお願いします

■第3講義
・一次インスペクションの資料作成、手法、成果品はよいと思う。360°カメラ分かりやすい。打診棒の動画もよい。どういう使い方をするかなども分かりやすいです
・豊田先生のお話は少し細かな話がバラバラとしていた気がして、こちらも細かいことが気になりました(鋼板サンドイッチパネルの電気配線はどうするのかとか、蓄熱は十分な断熱をすればほとんど効果がないと他のセミナー(おそらくパッシブハウスジャパンの)で聞いたがその点はどうなのか等。ちなみに蓄熱は屋内の暖冷房熱と冬期の日射取得熱を区分して考えないとよく解らないことになると思いますが、追って解決していきたいと思います
・360°カメラほしいです。サーモカメラも必要そうでした

■第4講義  東京 安藤先生
・古民家、民家の根本的なこと、事例紹介の中で、私の知っていることがいくつか間違った認識だということ気づかされました。非常に面白かったのでまた本など拝読させてください。心おどる直し方をということで松の曲がり板を利用した壁、板の間、窓のふちに金を使ったアーティスト(陶芸家)の話の中で、金継ぎ(より価値の出る直し方もある)という紹介があり、住宅医に求められることに通じているというお話、民家を直せば里山が蘇る、心に響いたお話でした
・安藤先生のお話は、心が洗われる様な素晴らしいお話でした。圧倒的統合力と知見と思想の賜物だと思うので、一体どこまで研鑽すれあこの域に辿り着けるのかと気が遠くなりますが、今日の旧を新しいスタートラインとして精進していきたいと思います
・安藤先生の民家のお話もとってもおもしろかったです
・安藤先生の民家に対する想いが大変参考になりました
・家を治す→人の心も治すことなのだ→重い言葉ですね

■講義全般

・スライドやテキストのカラー仕様のものをホームページ等でPDFでダウンロードできるようにしてほしい。グラフやチャート、写真が白黒だとわかりにくい。文字もつぶれてしまっている。WEB講座のような授業があれば全国的に普及するのではないでしょうか。また、仕事等で欠席してしまった場合もWEB講座でフォローできるので便利かと

(回答)

毎年フルカラーのご要望がございますが、現状モノクロを基本とさせていただいております。
全てフルカラー、全てのページを1枚で印刷となると現状の30倍以上の印刷コストがかかり、
受講料を上げる必要が出てしまいます。
また受講者数が多ければ多いほど、質は向上できますので是非お仲間をご紹介ください。
レジュメ上カラーでないと判別出来ない事項はカラーで出すように調整しております。

資料については、原則著作権等の問題からデータでお渡しできないケースが多く、申し訳ございませんが紙でのみとさせていただいております。

 

・レジメの文字が小さすぎて見ずらい所があった。白黒写真で分かりに所があった。今後、木造の改修工事の見学会があったら参加したい

(回答)

レジュメの文字の件は申し訳ございません。なるべく見えやすいように資料を作成しておりますが、元のデータの解像度によってはどうしても見えにくい場合もございます。
改修工事の見学会、調査や調査員の募集は随時住宅医通信等でご案内します。またはインフォメーションでお知らせもしますのでよろしくお願いします。

・机上の学び以上にまずは現場での調査の実務経験が必要だと思いました。有意義な講義でした。90分が短く感じました。建主からの調査改修依頼を待つことが多いと思いますが、こちらから営業する方法の参考例があれば聞かせてほしい。あるいは行政とうまくやっていくなど
・大変勉強になりました。今後仕事に生かせるようになるにはやはり実践でないと身につかないと思いますので、事前調査の機会をぜひ設けて頂きたいと思います。ぜひ参加したいです。修了しないと参加できないのでしょうか?

(回答)

事前調査は受講生に募集するケースもございますので、機会を見つけてご参加お願いします。

 

投稿日:2017年05月16日

住宅医スクール富士 日程変更のご案内


住宅医スクール2017をお申込みの皆様へ

富士会場第5回の日程変更のご案内です。
富士第5回 11月15日(水)は諸事情により 11月20日(月)へと変更いたします。

※講師及び時間、会場の変更はございません。

すでに応募いただいている受講生の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、
何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

なお、富士会場にご応募頂いている方には個別にご連絡差し上げます。

なお、変更後のプログラムはこちらからダウンロードお願い致します。

住宅医スクール2017(東京・大阪・富士)

 

投稿日:2017年05月15日

調査事例紹介2017-63 福井県小浜市


小浜市発心寺 詳細調査
報告:戎野朗生(エムズ建築設計事務所)
物件概要
■所在地: 福井県小浜市伏原
■調査日時:2017年4月10日(月)、11日(火)
■構造規模:木造2階建て
■延床面積:約1800㎡(調査範囲は内、約360㎡)
■築年数:不明(江戸時代後期と推定)
福井県小浜市で詳細調査を行いました。
今回の調査依頼は福井で活動されている住宅医の山田健太郎さんが受けているお仕事(お寺の保存・改修)への参加協力でした。500年ほど前に創建された歴史あるお寺の本堂や庫裏を修繕するために必要な現況調査です。

(上)庫裏外観

(左)本堂外観

(右)方丈外観

 

 

(上)庫裏内観

 

今回調査範囲が約360㎡と広範囲に及ぶことから作業量も多く見込まれましたが、一泊二日で少人数による調査とすることで、内容の把握がしやすく、庫裏と方丈それぞれの棟を一貫して調査することができる方法をとりました。

 

(左)開始前の挨拶   (右)調査準備

お寺が運営されている平時に調査を行いますので、調査を始めるに当たり、お寺の方に調査の概略や作業時間についてご説明し、お邪魔にならないよう確認をとることから始まります。
調査内容の確認などのミーティングを迅速に行い調査開始。事前に調査道具を班ごとに分けておくことで、すぐさま調査にかかれます。
今回は①劣化、②設備、③仕上、④採寸・バリアフリー、⑤床下、⑥二階床・小屋裏、⑦ヒアリング・矩計の7班、合計13名となりました。
住宅医の山田さんと一緒にお仕事をされているお二方、今回の改修の監修をされている大学の先生にも入って頂きました。

(左)庫裏:床下の様子  (右)方丈:床下の様子

 

(上)方丈:基礎のひび割れ
床下調査:庫裏と方丈で建築年が異なるため、床下の形式はそれぞれ異なっていました。庫裏は玉石によるもので、床組の多くは修繕されていましたが、修繕されていない古い部材が残る箇所には蟻害の痕跡が多く確認されました。
対して方丈は無筋の布基礎で出来ており、換気口周辺にクラックが散見されたほか、高低差のある敷地で、低い地盤側へ傾くことで生じたと思われる大きなクラックも見つかりました。

(左)庫裏 外部:木部の雨染み    (右)方丈 外部:外壁のサビ

劣化調査:建物の劣化状況を目視にて確認します。風雨に晒されおこる経年劣化が全体的に見られました。また、土壁の剥離や板金のサビなど、雨水が内部に侵入し躯体の腐朽要因となる劣化も見られました。

(上)庫裏:食堂の小屋組

 

 

 

(左)方丈: 2階小屋組   (右)方丈: 2階床調査の様子

 

小屋裏調査:庫裏の小屋組みは30㎝前後の丸太梁が掛けられており、小屋裏空間も広く、架構の確認が容易に行えました。ススで黒くなった梁には腐朽は確認されず、含水率も10%前後で安定していました。方丈の小屋組みや2階床梁は角材を用いた架構で、天井板を外した場所からの目視となりました。水染みなどが確認されたものの腐朽は確認されませんでした。

 

最後には全員で掃除をし、調査で生じたゴミや埃を残さないようにします。
二日にわたる調査も無事に終え、成果物(野帳)を住宅医山田さんへお渡し終了しました。
今回の調査では報告書の作成は行わず、野帳を基に実務でそのまま活用いただきます。
調査にご協力いただきました皆様ありがとうございました。
Ms 戎野