投稿日:2016年02月09日

事例報告(改修事例)2016-53


フクマチヤ 改修事例報告

・設計監理:Ms建築設計事務所/三澤康彦
・施工:有限会社 羽根建築工房
・設計期間:2015.2~2015.7
・工事期間:2015.7~2016.1
・建築年数:1912年(明治45年ごろ)約103年
・構造・規模:木造2階建て 延床面積:77.91㎡

・概要
大阪市福島区にある長屋の一棟を改修し、SOHOスペースを兼ね備えた事務所として再生しました。

図1 図2
・改修内容
事務所として活用するために内装を一新しています。また同時に断熱性能、耐震性能を改修工事によりそれぞれ高めました。
建物躯体については長屋という条件があるため、共有する柱の内側に新たに柱を設ける方法を採用しました。両隣の建物と縁を切り、将来的に両隣の建物のいずれかがなくなってしまっても独立して建物が成立するよう配慮しています。

 

図3s
<建物調査>
建物の詳細調査を行い、床下、小屋裏の状況を確認しました。また計画に必要になる図面一式を作成しました。

 

図5図4
<劣化状況>
水廻りを中心に、柱は柱脚が白蟻の被害を受けている箇所が多数見受けられました。基礎はなく、柱が敷き土台の上に立ててある状況が主な原因です。また珍しいことに白蟻の被害は二階の床梁にまで及んでいました。二階の床梁は全て交換し、健全なものは柱材として再利用しました。

 

図6図7
<解体工事>
解体工事の前には地元福島天満宮の神主さんによる清祓い式を行いました。
解体作業は主に大工さんの手作業で行われ、屋根の構造体を除いてほとんどを取り払いました。

 

図8図9
<基礎工事>
基礎はベタ基礎を採用しています。既存の柱の内側に基礎の立ち上がりが設けられます。
大きな機械が入ることができないため、ここでも職人さんの手による作業が行われました。

 

図10図11
図15図16
<躯体補強>
既存柱の内側で新たな構造体を造ります。大工さんが現場で実際の寸法を当たりながら手刻みで作業を行います。
構造体の接合は木のほぞや込栓などだけではなく、金物も併用して計算上必要な箇所を補強していきます。
構造材は奈良県の吉野材を使用しています。壁倍率は鳥取県産材のJパネルを採用しています。Jパネルの内側にはパーフェクトバリアを充填して壁の断熱材を確保しています。

 

図17図18
<断熱補強>
断熱材をしっかりと充填して断熱性のを高めています。床は基礎断熱を採用しています。
両隣の住戸が壁を共有していて熱の逃げが少ないこともあり、Q値は1.8近くまで向上しました。

 

図19図20
<竣工写真>
左は打ち合わせ室、右は事務室の写真です。木の温かみのある美しい空間になりました。

図21図13
左は二階の様子。右は外観のファサードと写真です。

今後、住宅改修の情報を発信する拠点として、福島でますます活動を積極的にしていきます。