投稿日:2015年11月28日

住宅医スクール2015 大阪 第6回のご報告


11月28日(土)、住宅医スクール2015大阪・第6回が開催されました。

「契約実務の留意点」「木造住宅関連施策の動向とその対応」「マンションリフォーム」「マンションリフォーム事例を語る」という4つの講義が行われました。

第1講義「契約実務の留意点」瑕疵及び依頼者とのトラブルを回避する方法
木津田秀雄 氏/胡桃設計主宰

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法律の押さえどころに加え裁判所の過去の判断を引用して具体的な事例を説明していただき、難しい内容の講義ですがわかりやすくお話を頂けました。また契約の時に気をつけておくポイントや、実際に問題が起こった時の対応まで、勉強になりましたし身の引き締まる講義となりました。

 

第2講義「木造住宅関連施策の動向とその対応」木造住宅関連施策最新情報と対応実践事例
池田浩和 氏/岡庭建設(株)専務取締役

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最新の国の動向を経緯や理由を踏まえて説明していただきました。注意しておかないと気が付かないような貴重な情報もたくさん紹介していただけました。知らないともったいない補助金の情報など、とても有意義な講義となりました。

第3講義「マンションリフォーム」マンションリフォームの基礎と実践
第4講義「マンションリフォーム事例を語る」取り組み姿勢と設計手法
小谷和也 氏/(株)マスタープラン一級建築士事務所代表取締役

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マンションリフォーム
住宅医スクールの定番で人気のマンションリフォームの講義。まずはマンションリフォームの基本知識はもちろん、多数の物件数を設計してきて得た温熱環境、マンションならではの音環境などの知見を余すことなく説明してくださいました。

第四講義も引き続き小谷氏の講義です。またマーケティング分析として依頼者の特性や傾向を踏まえ、どういった姿勢で仕事をしているか、行くべきかなどのお話もいただけました。そして事例を用いて空間を多用的に見せる工夫や差別化なども動画や写真を見せて説明していただきました。

 

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最終講義が終わった後、昨年から住宅医スクールを受講していただいていた丹羽さんに修了証が送られました。今まで受講できていなかった講義を一この日で履修できたからです。
以上で第6回の4つの講義は終了し、今回も懇親会が開催されました。

次回は設備の劣化、防耐火性能、バリアフリーの講義が行われます。
皆様のご参加をお待ちしております。

(関西事務局 日野)

投稿日:2015年11月10日

住宅医コラム 意見交換2015-60


妻にとっての定年リフォーム
宝塚Iさんの場合 ~ その11
 バリアフリー対策の懸案事項

三澤文子(MSD)

 

 

11月5日は東京の住宅医スクールを聴講しました。溝口千恵子先生の「住宅改修における高齢者対応~高齢化社会と住宅改修のニーズと実践」です。講義の中で資料には「高齢化」でなく「超高齢化」と書かれています。その後TVのニュースや新聞で注意深く見れば、もはや「超高齢化」という表現が一般化していることに、改めて気が付きました。

 

講義では、次のようなデータが示されました。高齢者人口2892万人の要介護高齢者率は16.77%、そして要介護高齢者の72.2%が在宅生活者。これは驚きです。

 

要介護者の多くが、介護付きの施設に入るのかと思いきや、在宅生活者がこのように多いとは。それもそうです。環境の良い介護施設に入るためには、経済的にかなりのゆとりがあることが必要とされるのでしょうから。

 

また、高齢者の家庭内事故のことについても講義で説明がありました。Iさんのご主人が心配されるヒートショックでの死亡事故は住宅内の事故死のなかで最も多いのですが、「スリップ、つまずき、および、よろめきによる同一平面上での転倒」が次に多い数字。死亡人数ではヒートショックでの事故死の1/3ほどですが、この転倒を引金に寝たきりになってしまう人がほとんどだ。ということなのです。溝口先生のお身内でも、最近、同じように転倒、骨折そして現在介護施設に移転した、とのリアルなお話も聴きました。

 

講義では、同一平面上でもつまずきは、高齢者の脚のもつれやよろめきなど、身体能力の低下に起因するものとの説明も聴きましたが、やはり床のレベルは基本的に段差無くフラットのほうが良いと私は思っています。I邸も、この改修で床の段差はすべて無くしました。

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数寄屋の設計がお得意の、奈良の梅田工務店、梅田宗春氏は「和室は、床埃を畳に上げないために敷居分(40㎜)上げるのが作法だ。」といって、畳のレベルと板間のレベルを合わせてフラットにすることを「それは和室をつくる作法から外れる。」と断言していました。私も「ウーン…」とうなったきり答えることが出来ませんでしたが、やはり段差なしが良いと思ってしまいます。最近はお掃除ロボット・ルンバが働けるように。という理由も増えましたが。

 

 

ところで I邸では、懸案事項が残っていました。かなり昔に開発された住宅地であり、駅からも近い立地であるため、この敷地には駐車場が無いのです。石積の擁壁があり、駐車場をつくるにはさらにお金が必要です。

 

現在のアプローチは、玄関につながる階段ですが、坂道の最も低いところから上がるので、段数も多く、手摺もありません。

 

改修前のアプローチ階段

改修前のアプローチ階段

 

そこで、南庭にカーポートをつくのはどうか。という計画も浮上しました。坂道の前面道路は、南側が高く、敷地にすり付きが良いのです。カーポートからスロープを設ければ、デッキに上がりそのまま室内に入ることも可能になるのでは。という考えです。

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ただ、今回は見合わせて、しばらく今まで通り、少し離れた駐車場を使うことになりました。ひとまずは、いままでのアプローチ階段に手すりを設けています。

 

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Iさんご夫妻は、私よりはるかに健脚の雰囲気。今のところはこれで大丈夫そうです。

 

つづく

投稿日:2015年11月09日

住宅医スクール2015 大阪 第5回のご報告


10月31日(土)、住宅医スクール2015大阪・第5回が開催されました。

「温熱環境の改善と対策①〜③」「温熱・省エネの改修事例を語る」
という4つの講義が行われました。

第1講義「温熱環境の改善と対策①」温熱・結露診断手法1
辻充孝 氏/岐阜県立森林文化アカデミー准教授
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住宅の温熱環境に大きな影響を与える断熱性能の計算法について講義をしてただきました。
一部、実際に手を動かして計算をすることで、温熱計算ソフトの中で何が行われているかの理解を深める時間もありました。

 

第2講義「温熱環境の改善と対策②」温熱・結露診断手法2
辻充孝 氏/岐阜県立森林文化アカデミー准教授

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辻氏による連続講義です。後半は日射量の計算、また結露の判定の講義をしていただきました。断熱改修の結果、壁の内部結露を起こしてしまってはせっかくの改修も無駄になってしまいます。結露の危険性がないことを確かめることが断熱改修の前提となる事を、改めて教えていただきました。二限連続講義はとても情報量が多く、充実した時間になりました。

 

第3講義「温熱環境の改善と対策③」住宅の省エネルギー評価の基礎
三浦尚志 氏/国土技術政策総合研究所住宅研究部 建築環境研究室

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第三講義は三浦氏により、建物の省エネルギー性能について講義をしていただきました。また温熱環境を学ぶ上での基本の知識について、板書も含めて丁寧に説明していただけました。省エネルギー計算のソフト作成に携わっておられるので、その作業の苦労話やためになる知識なども楽しくお話しいただけました。

 

第4講義「温熱・省エネの改修事例を語る」「KIP」のパッシブ改修設計手法
南雄三氏/住宅技術評論

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最終講義は南雄三氏による講義です。
断熱性能と省エネ性能は分けて考えることや、現在・これからの省エネルギー政策の動向など、大きな視野で建物の温熱性能について考えることができる講義になりました。また実際の改修事例の説明では、枠に収まらない発想で様々な工夫を施しておられ、刺激になりました。

 

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最終講義が終わった後、2014年から住宅医スクールを受講していただいていた北聖志さんに修了証が送られました。今まで受講できていなかった講義を一この日で履修できたからです。

以上で第5回の4つの講義は終了し、今回も懇親会が開催されました。

次回は契約・施策・マンションをテーマにした講義が行われます。
皆様のご参加をお待ちしております。

(関西事務局 日野)