投稿日:2015年09月29日

住宅医スクール2015 浜松 第4回のご報告


去る9月17日(木)、住宅医スクール2015浜松・第4回が開催されました。
今回は

「木材の劣化と対策②」

「防蟻対策の実務」

「構造的不具合の原因と対策③」
「伝統木造の耐震設計事例を語る」

の4講義が行われ、40名近くの方々が受講されました。

三澤先生のインフォメーション・イントロの後、講義が開始されました。

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第1講義「木材の劣化と対策②」
矢田 茂樹 氏/横浜国立大学名誉教授

 

第1講義は、矢田 茂樹氏により、木材の劣化要因や劣化診断法についてお話をして頂きました。

釘やビス等、普段の施工で使用する金物との相性によっても木材の劣化進度が違う事、

見過ごしがちな木造建築の劣化防止の留意点などを、分かりやすく解説していただきました。

木材劣化の実物サンプルを実際に見る事で、木材の特性を視覚で理解し、適材適所に使用する

大切さを学べた講義でした。

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第2講義「防蟻対策の実務」~シロアリ駆除と予防法の実例
水谷 隆明 氏/阪神ターマイトラボ代表

 

第2講義は、水谷 隆明氏により、防蟻対策として、薬剤の効果的な使用方法や現場での

施工など実務に基づいたお話しをいただきました。

シロアリの種類と特性をしっかりと把握する事の大切さを実感しました。アリの種類や

被害状況で、どのような調査と対策をとるべきなのか? など被害写真を例に挙げながら

分かりやすく説明をしていただきました。

予防や薬剤処理の方法など、実務で培った経験と知識をお話いただき、シロアリ駆除に対して

より深く理解する事ができました。

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第3講義「構造的不具合の原因と対策③」~限界耐力計算のやさしい解説

桝田 洋子氏/(有)桃李舎代表

第4講義「伝統木造の耐震設計事例を語る」~豊崎長屋の耐震設計手法

桝田 洋子氏/(有)桃李舎代表

 

第3講義、第4講義は、桝田 洋子氏より、限界耐力計算の観点から、

構造的不具合の原因と対策についてと、伝統木造の耐震設計事例について、お話を頂きました。

土壁や貫を主要な耐震要素とする伝統工法と、合板・筋交い・金物を使用する在来軸組工法の

構造特性の違いに触れながら、伝統工法の木造建築物の耐震性能、改修事例について

分かりやすくお話をしていただきました。

伝統工法の改修方法を数値を用いて明確にしていく計算工程と、実験動画を見ながら社寺の耐震性能を、

建物の揺れ方のメカニズムを中心に丁寧に解説していただき、今後の伝統工法の木造建築物の改修には

必要不可欠な設計方法だと思いました。

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以上で、第3回の4つの講義は終了し、その後、講師の方々も交えて懇親会も開催されました。

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懇親会では、講師も参加され、講義以外のお話も聞くことができ、終始有意義な時間を

過ごすことが出来ました。

(浜松受講生・永田)

 

 

 

 

 

投稿日:2015年09月08日

住宅医スクール2015 大阪 第3回のご報告


8月29日(土)、住宅医スクール2015大阪・第3回が開催されました。

「木材の劣化と対策①」「木造建築物の耐久性能と維持管理方法①」
「木造建築物の耐久性能と維持管理方法②」「住宅改修事例を語る-③」
という4つの講義が行われました。

第1講義「木材の劣化と対策①~生物劣化の基礎」
簗瀬佳之 氏/京都大学大学院農学研究科助教

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第1講義は、簗瀬佳之氏より木材の主に生物劣化について講義が行われました。
シロアリ、乾材害虫、木材腐朽菌等による劣化ついては混同してしまいがちですが、
種類や特性を整理してわかりやすく説明していただけました。
それぞれの被害例の写真も多く、視覚的にも劣化を理解することできました。

 

第2講義「木造建築物の耐久性能と維持管理方法①」木造建築物の劣化、診断、補修の基礎
中島正夫 氏/関東学院大学 建築・環境学部教授(住宅医協会 代表理事)

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第2講義では、木造建築物の劣化の基礎知識として、蟻害・腐朽の実態調査結果、
薬剤処理と構造性能の関係、接合金物や集成材の耐久性について講義して頂きました。

 

第3講義「木造建築物の耐久性能と維持管理方法②」木造住宅劣化事例Q&A
中島正夫 氏/関東学院大学 建築・環境学部教授(住宅医協会 代表理事)
西久保美和氏/しましま設計室

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第3講義では、維持保全計画のあり方や手順。また木材の
割れや蟻害・腐朽などの診断方法や補強の基礎知識の講義が行われました。

講義の後半ではQ&A形式で木造住宅劣化事例が紹介されました。
住宅調査で実際に見られた様々な劣化事象について、
疑問に思ったことなどを西久保氏から中島氏に問いかけ、意見をいただきました。
調査中によく見るけど何だかわからない…というものが判明し、
すっきりとされた受講生の方も多いと思います。

 

第4講義「住宅改修事例を語る-③」土壁を活かした改修設計手法
高橋昌巳氏/(株)シティ環境建築設計代表

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最終講義は京都・東京で設計をされている高橋昌己氏の改修事例の講義です。
三和土叩き土間や土を使った壁の活用例を、デティールまで惜しむことなく
説明していただける貴重な講義となりました。
また現代の工事現場では一般的となったプラスターボードは破棄の
段階でエネルギー・手間が多く必要な事に触れ、自ら木小舞の下地を研究し、
塗壁の下地に使用している事例など、考えの深さを感じました。

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午前中の講義が終わった後、2011年から住宅医スクールを
受講していただいていた中根えみ子さんに修了証が送られました。
今まで受講できていなかった講義を一限目で履修できたからです。

以上で第3回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

次回は防腐防蟻、また構造をテーマにした講義が行われます。
皆様のご参加をお待ちしております。

(関西事務局 日野)

投稿日:2015年09月06日

住宅医スクール2015 東京 第4回のご報告


9月3日(木)、住宅医スクール2015東京・第4回が開催されました。
今回は「木材の劣化と対策②」「防蟻対策の実務」「構造的不具合の原因と対策③」
「温熱・省エネの改修事例を語る」の4講義が行われ、50名が受講されました。

 

第1講義「木材の劣化と対策②」
矢田茂樹 氏/横浜国立大学名誉教授

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第1講義は、矢田茂樹氏により、木材の劣化要因や劣化診断法についてお話いただきました。
木材が何によってどのように劣化するのか、木造建築の劣化を防ぐためのポイントや現況調査手法など、
これまでの調査研究の過程で得られた知見を、映像資料ではなく、
手を触れて間近にみられる実物のサンプルによって、具体的に分かり易く解説していただきました。
生きたシロアリが活動中の瓶詰めが廻覧されるなど、真に生きた知識を得られる講義となりました。

 

第2講義「防蟻対策の実務」~シロアリ駆除と予防法の実例
水谷隆明 氏/阪神ターマイトラボ代表

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第2講義は、水谷隆明氏により、実際のシロアリ対策の現場で得られた知識や実際に飼育観察されている知見から、
シロアリをより深く知ることでどのような対策が有効なのかを分かり易くお話しいただきました。
シロアリが住宅に侵入するメカニズムや行動パターン、アリ種類別の行動範囲の違いや、薬剤処理の考え方、
予防方法など、住宅実務にすぐに役立つ内容が満載の有意義な講義となりました。

 

第3講義「構造的不具合の原因と対策③」~伝統木造の耐震設計
山田憲明 氏/㈱山田憲明構造設計事務所 代表取締役

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第3講義は、山田憲明氏により、普段学ぶ機会の多くない伝統木構造について分かり易く解説いただきました。
伝統木構造の定義や分類など概要や構造要素、耐震設計法の種類の説明と限界耐力計算の概要、
伝統木構造の耐震診断における調査法・修理法・耐震改修の説明と事例紹介など、
1コマの講義では足りないくらい盛りだくさんな内容の講義となりました。

 

第4講義「温熱・省エネの改修事例を語る」~「KIP」のパッシブ改修設計手法
南雄三 氏/住宅技術評論家

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第4講義は、南雄三氏より、その豊富な知見から既存住宅の温熱環境や省エネについて解説していただきました。
日本の住宅を考える背景として、日本とアメリカの住宅価値の違いやその理由、
一般的なインスペクションとパソロジー(建築病理学)の違いから住宅医が必要とされる意義、
南先生の考える「リフォーム」と「リノベーション」の概念など、
既存住宅を考える上で核となる考え方についても貴重なお話しをいただきました。
また、2020年に義務化される改正省エネ基準がもつ意義と、断熱・省エネルギー・パッシブやゼロエネなどが
温熱環境を考える上でそれぞれどのような位置付けとなるのかなど、
難しくなりがちな分野の解説を軽妙な語り口で分かりやすく講義していただきました。

 

以上で第4回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

次回は、温熱環境の改善と対策として具体的な診断評価手法や伝統木造の改修事例について講義が行われます。
いずれも実務で役立つ貴重な知識を得る場となりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(関東事務局 小柳)