投稿日:2015年06月10日

住宅医コラム 意見交換2015-55


妻にとっての定年リフォーム
宝塚Iさんの場合 ~ その6
 改修工事の着工前には「清祓い式」を!

三澤文子(MSD)

 

実施設計~見積もり~金額調整などをへて、ようやくこの日、工事契約日にこぎつけました。当初スケジュール表の5/12が、6日遅れの2014年5月18日(日・大安)なので、まずは順調に進んできたといっていいでしょう。

施工は、大阪府堺市のコアー建築工房に決まりました。コアーさんには常々お仕事を依頼していて、とにかく信頼度抜群の工務店さんです。それに2013年には大阪市内で長屋の改修をお願いしたこともあり、その際の監督さんを指名させて頂いて体制を整えました。

 

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さて工事契約日です。この日は同時に大切な行事「清祓い式」を行います。この、清祓い式は、2007年の岐阜県美濃市での改修工事において、工務店さんから提案され実施したことが始まりです。その時は、古い井戸を埋めることと庭木を伐採することもあり「やはりお祓いしてもらうべき。」との意見でした。それからは必ず着工時に、この「清祓い式」をとり行っていますが、これは「是非とも行って頂きたい。」と、みなさまにお勧したいと思います。

新築の場合は、まず地鎮祭から工事がスタートする感があります。この地鎮祭によって、気持ちが引き締まり、けじめがつきます。でも改修工事では、この清祓い式に出会うまでは、なんだか始まりがダラ~として締まりが悪い感覚だったことが思い出されます。

ある時は、本日着工!ということで、監督さんと現場に集合したものの、家の中の荷物がそのままで、それらの片づけだけに数日かかったという経験もあります。それにひきかえ、清祓い式を行うとなると、住まい手さんも気合が入るのでしょうね。神主さんが来られるまでに、荷物はスッキリ片づけられています。

さて、今回の清祓い式、宝塚の伊和志津神社から神主さんがお見えになりました。意外にもイケメン神主。宝塚随一の古社という伊和志津神社のいわれなどひとしきりお聞きし、清祓い式が始まりました。

四方祓い~玉串奉天と、厳かに式典進みます。

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工事関係者も玉串奉天。写真は監督の渡部さんです。

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清祓い式も滞りなく終了。それまでの曇り空にその時、部屋の中に光が差すような一瞬でした。 Iさんが「清祓い式をやって本当によかったわ。とても清々しい気分です。」と、しみじみ言われました。それに「ここまでキレイに片付けるのって、本当に大変だったのよ~。」とも。そうでしょうね。長年の生活で、ため込んだモノをかなり処分されたようです。

 

確かに、日々の生活の中では、モノは収納に収まっているのですが、いざそれらのモノを出してみると、ものすごいボリュームになるものです。すでに収納から溢れぎみだった、モノもかなりありました。

モノを捨て、すっきりとした部屋で暮らすことで、どんなに気持ちが軽く、安らかになることでしょう。

リフォームを機に、「モノを捨ててください。」「ときめきの片づけを是非実行してください!」と、言い続けている私です。

 

清々しい気持ちを胸に、清祓い式をすませ、工事契約。そして、いよいよ着工です。

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今回、大工は渡利さん親子。主担当は、写真の渡利貴志(息子)さんです!

(つづく)

 

投稿日:2015年06月09日

住宅医公開検定会2015@岐阜のご報告


去る5月28日(木)・29日(金)、岐阜県立森林文化アカデミーにおいて、2015年住宅医検定会が行われました。

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この日は、アカデミーの「木造建築病理学講座」2013年度の開講式でもあります。講座責任者の小原准教授から、挨拶とガイダンスかあり、受講生、講師の自己紹介が行われました。

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検定会は住宅医協会理事の塩田佳子さんが司会を務めました。

昨年度の住宅医検定会は岐阜・東京・大阪・浜松と4か所で開催され、計12名が受検しました。今年度も昨年度と同様4か所で開催予定です。岐阜県立森林文化アカデミーで開催される検定会は年度で一番早い時期に開催されます。

2015年度は計5名の方が発表されました。

 

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第1番目はMSDの日野弘一さん。兵庫県宝塚市・築51年平屋建て住宅の改修事例を発表していただきました。

 

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第2番目は紙田材木店の田原義哲さん。岐阜県加茂郡にて無垢材を使った住宅の設計・施工をされています。2013年住宅医スクール大阪の修了生です。今回は築100年程の古民家の改修を発表していただきました。

 

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第3番目は、一級建築士事務所MUKの村上あさひさん(設計担当)と西紋一級建築士事務所の西恭利さん(施工担当)の共同発表です。村上あさひさんと西恭利さんは2008年木造建築病理学修了生です。発表していただいた物件は築34年戸建て住宅の改修です。

 

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第4番目は、ネクスト名和の名和豪敏さん。岐阜県岐阜市で設計・施工・ガスの販売をされています。築27年の戸建て住宅の一部を改修し、将来的なリフォーム計画を含め発表していただきました。

 

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第5番目は、Bois設計室藤田敦子さん。神奈川県で設計事務所を運営されており、住宅医スクール東京2013年修了生です。マンションリフォームの発表をしていただきました。

 

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それぞれのプレゼン後には、温熱・構造・意匠等それぞれの専門分野の審査委員から、質疑やコメントがあり、後日合否が発表されます。会場の方にはコメント用紙を記入していただき、後日発表者の方へ送られます。聞く方も発表する方も皆真剣です。

それぞれ全く異なる状況の改修事例を発表していただき、大変勉強になりました。

 

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検定会の後はアカデミーの学生さんの手料理が並ぶ懇親会です。講座責任者の小原准教授から乾杯の挨拶です。お箸もお酒も進み、改修や住宅医等の話題で大いに盛り上がりました。

 

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木造建築病理学2日目4・5限の講義「依頼者に対する報告書の作成と説明」では1・2年生合同でワークショップを行いました。三澤文子氏と滝口泰弘氏の共同授業です。

まずは「既存ドック調査報告書」について滝口さんより事例を発表していただきます。

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その後4つグループに分かれ、各々意見を出し合います。受講生の方は建築を初めて勉強する方からベテランの実務者の方、設計・施工の方まで幅広い方が集まっています。それぞれの視点で意見を出していただく事で、より良い報告書へとブラッシュアップしていきます。実際にこのワークショップで出た意見を反映しながら、毎年報告書を更新しています。

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最後はグループ毎に発表をしてもらいます。今回もたくさんの意見が集まりました。

投稿日:2015年06月09日

事例紹介2015-48 兵庫県赤穂市


赤穂の住宅詳細調査

報告:豊田保之 / トヨダヤスシ建築設計事務所

 

調査の概要

■所在地:兵庫県赤穂市

■調査日時:2015年5月30日(土)

■構造規模:木造2階建て

■延床面積:114.27㎡

■築年数:築36年(1979(昭和54)年)

■調査人員:10名

 

兵庫県赤穂市まで詳細調査に行ってきました!

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今年度、報告書のフォーマットが変わったこともあり、調査員は少数精鋭の10名。

調査の結果速報をその場で行うという初の試みです。

 

依頼があった経緯は以下のとおりですが、ご両親を想う依頼主の気持ちがよく伝わります!

********依頼者のメールより一部抜粋********

この3月にトイレと客間の改修を市の助成をからめて地元の両親の知り合いの工務店と行い,今回さらに,浴室,キッチンなどを進める意向でした。先月に実家に帰り,トイレなどを見ましたが,必要かな?と思う機能のついた便器を入れてしまうなど,この先の改修に息子として不安を抱き,今回5月下旬開始予定だった浴室,キッチンなどの改修に,「ちょっと待った」をかけています。

両親としては8月上旬に法事があるため,7月下旬には改修工事を終わらせたかったようですが,私は住宅医のようなインスペクションの意義を少なからず把握していたので,きっちりとした改修前の調査もせず,高性能な設備(システムキッチンやユニットバスなど)に頼る両親の改修の方針に異議を唱えています。

********一部抜粋終わり********

 

現地に到着後、リビングに集まり調査概要を説明してから調査開始。

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2人1組で調査を進めます。

調査箇所は、いつもどおりの現況検査に加え、劣化、耐震、維持管理、防火、温熱、高齢者の対策各所です。

今回は、私の弟(職人)にも参加してもらい、屋根に登って調査をしたり、破壊調査も実施しました。

 

 

まずは、小屋裏と2階床です。

2階床は、畳を剥がし、下地をカットし点検を試みました。

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床下の調査の様子。

床下を調査し、トイレ付近の土台に腐朽が見受けられたので、外部から破壊調査も行いました。

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温熱・省エネルギー対策。

電気温水器を使用されていました。

1年分の光熱費・使用量のレシートも頂けたので、一般世帯とどのくらい違うのかが比較できそうです。

断熱材は、比較的しっかり入っていました。

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劣化

床下に3種類ほどのカビが確認できました。

壁のひび割れもありましたが、それほど大きくはありませんでした。

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耐震

基礎や塀に鉄筋が入っているかどうかをチェックしています。

布基礎の底版深さもチェックしました。

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高齢者

バルコニーの上がる踏み台がとても危ないということがわかりました。

依頼主のご両親も足を踏み外したことがあるとのこと。

廊下から部屋にはいる間の段差は、いつもどおりよく見かけます。

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維持管理、防火

配管には、それほど目立った問題はありません。

屋根、壁、軒裏の防火性もよさそうです。

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調査が終わり、調査結果報告会です。

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調査員が撮影した写真をパソコンにまとめ、TVにつないで説明します。

特に、床下や小屋裏の状態、鉄筋の有無、家の傾きなど、依頼主が速報として知りたい項目を中心に各担当から報告をしてもらいました。

最後に報告をすることで、依頼主はもちろん、調査員も他の調査内容が把握できたとのことでとても好評でした。

 

今回調査に参加してくださった方々ありがとうございました!

 

調査参加者(順不同)

村上洋子/村上登男一級建築士事務所 Nomad Architects部

船木絵里子/暮らしの設計ツキノオト

横田 淳/ついのすみか建築設計室

田尻裕樹/TJR建築工房

森本照明/楽住工房

西久保 美和/しましま設計室

梅田貴平/学生

豊田全啓/豊田工業所

豊田保之/トヨダヤスシ建築設計事務所

横山耕蔵/トヨダヤスシ建築設計事務所