投稿日:2015年02月09日

住宅医コラム 意見交換2015-51


妻にとっての定年リフォーム
宝塚Iさんの場合 ~ その2 リフォームをお願いする「住宅医」との出会い

三澤文子(MSD)

 

私とIさんとの出会いは、これこそ「縁があった。」というべきものだった。2013年9月10日のお昼過ぎ。私は健康診断に行こうとMOKSOHO(私の事務所MSDがある)を出ようとしていたが、念のために歩きながら携帯電話で、午後の開始時間を問い合わせたところ、「午後の検診はない。」との返事にビックリ。午前の予約をすっかり午後と勘違いしていたのだった。がっくりしてMOKSOHOに引き返すと、SOHOのデッキで、佐治さん(MSDスタッフ)と、品の良い年配の女性とが、熱っぽく話をしていた。

 

その女性がIさん。「古家をリフォームしたいのですが、うまく進まず8年間も悩み続けています。もはや今、諦めかけているところなのですが、通りかかった福島区の路地に、雰囲気の良い木造の家があるので、思い切ってインターフォンのボタンを押して、その家の方に設計はどなたですか?と聞いたところ、隣にある建物(MOKSOHO)を指さされて、ここを教えて頂きました。」

 

MSD1 2

MOKSOHOのデッキ              大阪市福島区の雰囲気のよい家.この家の設計は三澤康彦氏です.

 

さっそく、SOHOの中に入って頂いて、さらに詳しくお話を聞くと、Iさんご夫妻は60台後半。Iさんの家は 平屋の木造住宅で築50年くらい、その家をとても気に入っているが、隙間風がありとても寒く、寒がりのご主人は灯油のファンヒーターなど、ガンガンにつけて生活。特にお風呂が寒い。また台所も古いが、いずれリフォームするからと、そのまま使い続けている。とのこと。

 

「築50年ですと、コンクリート基礎があっても、無筋の基礎と思われます。出来れば基礎を造り変えて耐震性も高めたいですね。」と、まず基礎の話題から入った。Iさんのお話から、30坪以内の広さで1500万円ほどの予算を見ていること、屋根は阪神大震災後に葺き替えているということを伺った後なので、基礎の補強については当然、説明すべきことですが、「今まで、何人もの設計士さんにリフォームの相談をしましたが、基礎の話を、まず最初にしてくれた方は、いませんでした。」と言われた。おそらく予算なども同じ条件であったろうに、基礎についての話題無しに、リフォーム設計をしようとするような設計者は、「住宅医スクール」で学ぶ私の周りにはいないのだが、ごく一般的設計者はそうなのか… と一瞬驚きで受け止めたのだった。

 

1時間ほどのお話の中で、「既存建物の詳細調査」についてお勧めをした。「木の家リフォームを勉強する本(通称リフォーム本)」を使ってご説明し、調査料はおそらく25万円程度かと思われることをご説明すると、

「わかりました。お願いする方向で。本日、主人と相談し、改めてお返事します。」とのこと。

 

帰り際、説明に使った リフォーム本 を差し上げようとすると、

「その本は買いました。それだけ、リフォームのことを勉強しているんですよ。」と微笑まれた。

 

翌日、Iさんからお電話があり

「詳細調査お願いしたい。」とのお返事。さっそく 翌週の 9月17日、詳細調査のための事前調査に、私と日野君(MSDスタッフ)とでうかがうことになった。

(つづく)

投稿日:2015年02月06日

住宅医スクール2014 浜松 第7回のご報告


1月15日(木)、住宅医スクール2014浜松・第7回が開催されました。

 

今回は、契約・行政施策・マンションリフォームをテーマに「契約実務の留意点」「木造住宅関連施策の動向とその対応」「マンションリフォーム1-基礎」「マンションリフォーム2-実践」という4つの講義が行われ、30名が受講されました。

 

第1講義「契約実務の留意点」 瑕疵及び依頼者とのトラブルを回避する方法
木津田秀雄氏/胡桃設計一級建築士事務所 主宰

図1

第1講義は、胡桃設計主宰の木津田秀雄氏より、リスクを回避するための契約実務の留意点について、お話を頂きました。

瑕疵担保や不法行為などを含め、あいまいにしがちな部分を事例を基に分かり易くお話しいただきとても勉強になりました。改めて建築に携わる者としての倫理観を考えさせられる時間となりました。

 

第2講義「木造住宅関連施策の動向とその対応」 木造住宅関連施策最新情報と対応実践事例 
池田浩和氏/岡庭建設㈱ 専務取締役

図2

第3講義は、岡庭建設㈱の池田浩和氏より、木造住宅関連施策の最新情報と対応実践例についてお話を頂きました。

現在も継続している施策から閣議決定した最新の情報まで、とても分かり易く説明頂きました。国の目指している方向をしっかり把握し、自分の中に落し込み精査していく良い機会となりました。

 

第3講義「マンションリフォーム1」マンションリフォームの基礎
第4講義「マンションリフォーム2」マンションリフォームの実践

小谷和也氏/㈱マスタープラン一級建築士事務所 代表取締役

図3

第3・第4講義は、㈱マスタープランの小谷 和也氏より、
国産木材を生かしたマンションリノベーション手法についてお話を頂きました。

前半の基礎編では、マンションリノベーションに必要な基本的な知識や注意点などを事例を基に詳しく解説頂きました。

図4

後半の実践編では、実際の事例や設計手法を基に設計・工事での注意点等非常に分かり易く解説頂きました。

以上で、第7回の4つの講義は終了し、その後懇親会も開催されました。

図5

懇親会では、講師の方々も交えて、講義では聞けなかったお話もして頂き、終始なごやかな雰囲気となりました。

(浜松受講生 佐原)

投稿日:2015年02月06日

住宅医スクール2014 東京 第8回のご報告


2015年1月22日(木)、住宅医スクール2014東京・第8回が開催されました。
今回は、既存住宅の改修方法をテーマに「事例に見る基礎の改修方法」
「事例に見る軸組・壁・床・屋根の改修方法」「事例に見る温熱・省エネ改修方法」
という3つの講義が行われ、45名が受講されました。
講義後には修了式も行われ2014年度住宅医修了生に住宅医修了証が授与されました。
また、3名の発表者による住宅医検定会が行われました。

全景 修了式

 

 

第1講義「既存住宅の改修方法-1 事例に見る基礎の改修方法」
第2講義「既存住宅の改修方法-2 事例に見る軸組・壁・床・屋根の改修方法」
三澤文子氏/MSD主宰
鈴木竜子氏/(有)山辺構造事務所

三澤さん 鈴木さん

第1講義は、MSD主宰の三澤文子氏と(有)山辺構造事務所の鈴木竜子氏により、
既存住宅の基礎の改修方法について、基礎の改修設計に必要な構造的な知識や、
実際に基礎の補強工事を行った改修事例について、詳細に解説していただきました。
様々なケースで行われた基礎改修それぞれについて、補強の仕方が適切だったか否か、
さらに良くするにはどうしたらよかったか、基礎補強工事にいくら費用がかかったかなど、
すぐに実務に役立つ知識を数多く得られる貴重な講義となりました。

第2講義は、引き続き三澤文子氏と鈴木竜子氏により、既存住宅の構造体である
軸組・壁・床・屋根について、木構造の基礎知識の説明や耐震改修のポイント、
実際に構造体の補強工事を行った改修事例について、詳細に解説していただきました。
各部に見られる不具合箇所の報告や補修の際の注意点、どのように補強したらよいか
判断に迷うような構造体についての解説や対処法など、
数多くの実例について分析していただきながら分かり易くお話しいただきました。

 

第3講義「既存住宅の改修方法-3 事例に見る温熱・省エネ改修方法」
辻充孝氏/岐阜県立森林文化アカデミー准教授

辻さん

第3講義は、岐阜県立森林文化アカデミー准教授の辻充孝氏より、
断熱気密をすることの意義、日射遮蔽・日射取得の効果など、温熱設計の基礎知識や
実際に断熱改修を行った事例について、詳細に解説していただきました。
限られた予算のなかで温熱改修に取り組む場合のゾーニング手法や土壁住宅の改修事例、
実験的に色々試し観察しながら住まわれているという辻氏自邸の改修事例など、
改修前後でのQ値の変化や改修ポイントなど事細かに解説していただきました。
また、温熱改修設計時に現況を分析しどこをどのように改修したら効果が高いかなど、
必要な数値の算出と活用の仕方などについても解説していただきました。

 

第4講義 住宅医検定会・住宅医修了式
(検定会発表者)
福迫健さん/建築工房 匠
酒井哲さん/Town Factory 一級建築士事務所
板橋清子さん/A・I設計室

1-福迫さん 2-酒井さん 3-板橋さん

第4講義では、住宅医検定会が開催されました。
住宅医検定会は住宅医スクールを修了された方々が、実務で取組まれたプロジェクトを発表する場で、
合格者は住宅医として認定されます。
今回は、修了生3名が各々取組まれた改修事例を発表しました。
いずれも発表者の真摯な取り組みや住宅医で学んだ知識が生かされた好例であり、
住宅医の意義やニーズも再確認することができました。発表者の皆様、お疲れ様でした。
合否については、他会場で開催される検定会結果も合わせて協議させて頂きます。

以上で第8回の3つの講義と住宅医検定会は終了し、その後懇親会も開催されました。

以上で2014年度の住宅医スクール東京は全て終了しました。受講生の皆様、大変お疲れ様でした。
2015年度は、6月からのスタートを予定しています。カリキュラムが確定次第改めてご案内いたしますので、
初めての方もOBの方も、多くの方々にお集まり頂けたら幸いです。

(関東事務局 小柳)