投稿日:2014年10月09日

住宅医コラム 意見交換2014-46


「家を見守る」ということ~排水管トラブルについて

 三澤文子(MSD)

  

住まいの診断レポートの「維持管理」の診断では、古い建物ほど成績が良くなります。 床の高さが高ければ、床下にも入りやすく、配管など点検が簡単です。 ところが、阪神淡路大震災後、耐震性重視のべた基礎が普及すると、設備配管が土間コンクリート下に埋設されて、「維持管理」いわばメンテナンス面では都合が悪くなりました。 

しかしながら「長期優良住宅」の設計基準が一般化してきた最近では、土間コンクリートの上で配管する方法が主流になってきています。

ただ、自分の設計した10年程度前の物件は、維持管理の成績はあまり良くない。ということになり、今後のメンテナンスについて、こころしなければなりません。

そんなことも含め、設備配管などのメンテナンスについて、注意を払ってみたいと思うのです。

 

つい先日も、我が家の洗面器の排水管が詰まって、排水の流れが悪く、気分が悪い毎日でした。同時に混合水栓の温度調整が出来なくなり、器具交換も含め設備屋さんに来ていただき、Sトラップを外して排水管の詰まりを掃除して頂きました。

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そんなことで、このように、排水管を詰まらせないための予防や、自分で出来る初期処置について、住まい手さんにお教えする必要があるな。と考えました。

 

そこで、住宅医スクールで設備の講師をして頂いている 清水基之氏に、トラブルの内容など、お話を伺いました。

 

住宅の配管設備関係で、清水さんがメンテナンスに呼ばれる際、もっとも多いトラブルは、意外にも、台所の排水管の詰まりなのだそうです。 その原因は、ほぼ油汚れ。 油もの料理の多い家庭ではありがちなのだそうです。 台所シンクの排水管はある程度太いので、流れにくくなるといった状態になるには、排水管に、かなりの油がこびりつき、それが固くなってしまい、とても家庭用のパイプクリーナーでは取れない状況になっているそうです。 その場合、やはり設備屋さんに来てもらうしかなくなります。 予防としては、フライパンや皿などの油はキッチンペーパーなどで拭き取ってから洗うこと。 年に1回の大掃除の際に、家庭用パイプクリーナー使って、パイプの掃除をするのが良いと思います。

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上の写真は、Ms建築設計事務所のキッチンです。

 

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シンクの排水口が比較的キレイなのは、最近入社した新入社員が、キレイ好きらしいことが理由で、それまではかなり危険な雰囲気でした。この調子でキレイにしてもらえれば、トラブルが起こることもないと、少しほっとしていますが、年末の大掃除では、パイプのお掃除もしておきたいと思います。

 

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さて、次に多いのは、洗面器の排水管トラブルだそうです。もちろん原因はSトラップ部分での詰まり。詰まりの原因は、主に髪の毛や石鹸アカで、パイプの内壁に石鹸や人のアカが付着してヌルヌルになり、そのヌメリに髪の毛が絡まって塊になり、パイプをふさいでいくということなのです。洗面器の付属金物である排水管は細いので、パイプクリーナーでの初期処置はまめに行い、重症になりSトラップを外すような事態になれば、設備屋さんに任せるほかないとのことです。

 

実は、私が心配していたのは、浴室(バスユニット)の排水管トラブルで、現在設計中の住まい手さんが、西洋のように浴槽内で髪の毛、身体も洗うとのこと。それで心配になったのが、排水管の髪の毛による詰まりです。 浴槽からの排水は洗い場の排水ユニット(トラップ)に入り、そこから合わせて排水されるので、浴槽からのヘヤーキャッチャーがどこにも取り付けられないからです。 その質問に対しては、「浴室での排水管トラブルは、あまりありませんね。 ところで、髪の毛ってそんなに抜けますか?」との返答。

清水さんにとっては、髪の毛の悩みは、あまり無いようですね。

投稿日:2014年10月07日

住宅医スクール2014 大阪 第4回のご報告


9月27日(土)住宅医住宅医スクール2014大阪、第4回が開催されました。

第4回は「木材の劣化と対策-2」、「防蟻対策の実務」、「構造的不具合の原因と対策-3」、という3つの概要講義、および特別講義として桝田洋子氏による「限界耐力計算のやさしい解説」というタイトルでお話をいただきました。講義の後には懇親会が開かれ意見交流の場となりました。

昨年度からの継続受講生や修了生も合わせて、37名が参加しました。

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第1講義 「木材の劣化と対策-2」 ~木材の劣化と診断
矢田茂樹氏/横浜国立大学名誉教授

木材の特性に始まり、木材の腐食劣化の様子などを多くの実物サンプルを見る事が出来ました。
また、建物を調査する際の診断機器などの解説もして下さり実務に役立つ講義となりました。

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多くの実物サンプルを紹介して下さり、講義終了後は受講生からの個別質問に答えて下さりました。

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第2講義 「防蟻対策の実務」 ~シロアリ駆除と予防法の事例
水谷隆明氏/阪神ターマイトラボ代表

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シロアリの土壌からの進入パターンの特徴を水谷氏の多くの調査事例を元に説明して下さいました。シロアリの生体や蟻道についての解説の他、薬剤研究者独自の目線からの、少ない薬剤での蟻害駆除方や、薬剤と人体への影響についてのお話しなど、興味深い内容となりました。

 

第3講義 「構造的不具合の原因と対策-3」 ~伝統木造の耐震設計事例
桝田洋子氏/(有)桃李舎代表

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木造建築の耐震性能を貴重な実験動画などと共に紹介して下さいました。
実務での耐震補強や長屋救済の事例のお話をして頂きました。


第4講義 「住宅改修実例を語る-4」 ~限界耐力計算のやさしい解説
桝田洋子氏/(有)桃李舎代表

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伝統木造の耐震について、土壁、小壁、貫などの耐力計算をわかりやすく解説をして下さいました。
受講生の方からは「難しい耐力計算がわかりやすかった」とお聞きしました。


単発の受講も可能ですので、ご希望の際はお気軽に事務局までご連絡下さい。
(大阪事務局 新井)

 

 

 

投稿日:2014年10月07日

住宅医スクール2014 浜松 第3回のご報告


9月11日(木)、住宅医スクール2014浜松、第3回が開催されました。

今回は、劣化・維持管理をテーマに「木材の劣化と対策-1」「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-1,-2」「住宅改修事例を語る-3」という4つの講義が行われ、31名が受講されました。

 

第1講義 「木材の劣化と対策-1」  ~木材の劣化と診断

簗瀬佳之氏/京都大学大学院農学研究科助教

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第1講義では、生物の劣化の基礎として、シロアリや乾材害虫の生物特性や、腐朽菌による木材の生物劣化について解説していただきました。特に、腐朽後の木材の細胞壁構造の比較が、専門的でありながらも解りやすく、とても貴重な講義でした。

 

第2講義 「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-1」 ~木造建築物の劣化、診断、補修の基礎

中島正夫氏/関東学院大学 建築・環境学部教授

図2

第2講義では、腐朽・蟻害対策として、実務だけではなかなか知り得ない各種薬剤処理をした材料の構造性能との関係性や、接合金物の耐久性など実験データによる比較に受講生からは驚きの声が上がっていました。 また、集成材の建築物の耐久性実態調査もたいへん興味深いものでした。

 

第3講義 「木造建築物の耐久性能と維持管理方法-2」 ~木造住宅劣化事例 Q&A

中島正夫氏/関東学院大学 建築・環境学部教授

小野雅之氏/小野育代建築設計事務所

図3図6

第3講義では、剥離した集成材の補修方法や、劣化した木造住宅の改修事例など、維持管理方法について学びました。 後半のQ&Aでは、実際の調査、改修事例を基にした質問ということもあって、興味深く聞き入ってしまいました。

 

第4講義 「住宅改修事例を語る-3」 ~地域で改修設計・施工を支える技術集団

滝口泰弘氏/NPO法人 WOOD AC 理事

図4

第4講義では、住宅改修事例について多くのスライドとともに解説を頂きました。 「山とつながる」美濃の地域の特性を生かしながらの改修事例、地域や近隣への配慮など、浜松にも置き換えて考えられるような、失敗談を交えての実例紹介の講義でした。

 

第3回 懇親会 ~バールマブチにて

図5

第3回を迎え、受講者同士もすっかり打ち解け、和やかなムードの中、講義では聞けなかった質問も飛び交っていました。

 

(浜松受講生 石牧)